アセナピンマレイン酸塩

成分名

アセナピンマレイン酸塩

適応症状

統合失調症

簡易説明

神経伝達物質のセロトニンやドパミンやなどの受容体に作用し、妄想、幻覚、感情や意欲の障害などを改善する薬です。統合失調症は脳内のドパミンなどの働きに異常が生じることで、意欲の減退、感情の鈍麻などの陰性症状などが生じます。アセナピンマレイン酸塩は、D2受容体拮抗作用、5‐HT2受容体拮抗作用があるほか「ヒスタミンH1受容体」や「アドレナリンα1受容体」など、神経伝達物質が働く多くの受容体への働きがあり、強い不安や緊張感をやわらげ症状を改善いたします。

処方可能な診療科目

内科/精神科/心診療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約237円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2016年5月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

シクレスト舌下錠5mg/10mg【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】

関連製品(ジェネリック)

SAPHRIS tablet 2.5mg/5mg/10mg (NDA)【製薬メーカー:Asenapine Maleate/Asenapine】

効果・作用

気持ちの高揚や不安感を鎮め、心身の活動を改善する働きがあります。統合失調症にかぎらず、強い不安感や緊張感、抑うつ、躁状態などいろいろな精神症状に応用されることもあります。

▼働き
心の病気である「統合失調症」は、脳の情報伝達系の調子が悪くなる病気のことです。現実を認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。アセナピンマレイン酸塩は、脳内の情報伝達系の混乱を改善します。ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質を抑制し、統合失調症の陽性症状(妄想、幻覚、興奮)と陰性症状(意欲低下、無感情、自閉)の両方に改善効果を発揮します。

▼作用機序
アセナピンは「in vitro受容体結合試験」においてセロトニン受容体の幅広いサブタイプ(5-HT1A、5-HT1B、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2C、5-HT6、5-HT7)に加え、ドパミン受容体(D1、D2、D3)、アドレナリン受容体(α1A、α2A、α2B、α2C)または、ヒスタミン受容体(H1、H2)に対して高い親和性をしめします。また、ムスカリン受容体及びβ受容体への親和性は低いくなっております。アセナピンはこの受容体に対して「in vitroで拮抗作用」を示しますが、in vivoでは「5-HT1A受容体」に対して刺激作用を持っていることが示されました。これらの受容体に対する作用が、主要な作用機序と考えられてます。

▼薬理作用
統合失調症は、感情のコントロールがとれない、思考をまとめることが上手くできないなど、幻覚や妄想、会話や行動の障害、感情の障害、意欲の障害などがあらわれます。ドパミンが作用する受容体の中で、ドパミンD2受容体は統合失調症に関係しており、また統合失調症では感情の欠乏、意欲の減退など陰性症状もあらわれます。この症状は脳内神経伝達物質のセロトニンの5‐HT2受容体を妨害することで改善が期待されます。

▼特徴
新しいタイプの非定型抗精神病薬(第2世代抗精神病薬)で「抗ドーパミン作用」と「抗セロトニン作用」をあわせもってます。陽性症状と陰性症状の両方に有効で、5-HT1A受容体に刺激作用があるなど、非定型抗精神病薬と受容体結合性が違うところがあります。また、この特性により、陽性症状・陰性症状に加え、認知機能、随伴症状の不安や鬱に対する効果も期待できます。錐体外路障害、高プロラクチン血症、体重増加などの副作用も軽減されるので、糖尿病方でも注意深く使用することが可能です。開始用量が推奨用量と同一で、漸増の必要がありません。口粘膜から速やかに吸収される速崩性の舌下錠です。

・医薬品製造元のメーカー発表
・厚生労働省などの役所機関
・論文(大学の記事など)

使用方法

成人にはアセナピンとして1回5mgを1日2回舌下投与から投与を開始してください。
維持用量は1回5mgを1日2回とし、年齢、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1回10mgを1日2回までとします。

副作用

主な副作用
アセナピンマレイン酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
アセナピンマレイン酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

傾眠、アカシジア、浮動性めまい、錐体外路障害、口の感覚鈍麻、体重増加、ジスキネジア、便秘、高プロラクチン血症、食欲亢進、脂質異常症

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

腸内容物うっ滞、悪性症候群、浮腫、Syndrome malin、発熱、無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗、白血球数増加、血清CK上昇、血栓塞栓症、息切れ、ミオグロビン尿、腎機能低下、遅発性ジスキネジア、口周部不随意運動、不随意運動、舌腫脹、白血球減少、痙攣、CK上昇、急性腎障害、肝機能障害、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、ショック、咽頭浮腫、嚥下障害、呼吸困難、高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病悪化、口渇、多飲、アナフィラキシー、多尿、頻尿、低血糖、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、意識障害、低血糖症状、横紋筋融解症、筋肉痛、糖尿病性昏睡、高血糖悪化、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、無顆粒球症、肺塞栓症、深部静脈血栓症、静脈血栓症、胸痛、四肢疼痛、麻痺性イレウス、腸管麻痺、食欲不振、悪心、嘔吐、著しい便秘、腹部膨満、腹部弛緩

その他の副作用
血圧上昇、食欲減退、高脂血症、激越、不眠症、攻撃性、不安、易刺激性、気分動揺、パニック発作、落ち着きのなさ、睡眠障害、自殺念慮、関節腫脹、筋力低下、味覚異常、頭痛、パーキンソニズム、全身性皮疹、筋痙縮、鎮静、運動緩慢、構語障害、ジストニア、蕁麻疹、血管浮腫、感覚鈍麻、失神、舌麻痺、口下顎ジストニア、眼調節障害、眼痛、眼球回転発作、霧視、口腔粘膜水疱、顔面腫脹、動悸、洞性徐脈、高血圧、低血圧、口腔内不快感、流涎過多、口の錯感覚、口腔内潰瘍、腹部不快感、舌痛、肝機能異常、異汗性湿疹、皮膚そう痒症、小水疱性湿疹、多汗症、発疹、脱毛症、筋固縮、筋緊張、口内炎、筋攣縮、筋骨格硬直、四肢痛、関節痛、不規則月経、無力症、胸部不快感、疲労、歩行障害、咽頭感覚鈍麻、変色歯、末梢性浮腫、ALT増加、AST増加、血中CK増加、血中プロラクチン増加、γ-GTP増加、体重減少、血中コレステロール増加、血中ブドウ糖増加、血中インスリン増加、血中トリグリセリド増加、心電図QT延長、好酸球数増加、グリコヘモグロビン増加、低比重リポ蛋白増加、尿中蛋白陽性、血中ALP増加、転倒、好中球減少症、体液貯留、錯乱状態、精神病性障害、悪夢、躁病、うつ病、下肢静止不能症候群、洞性頻脈、脚ブロック、起立性低血圧、咽喉絞扼感、遺尿、尿失禁、乳汁漏出症、無月経、過敏症、異常感、局所腫脹、心拍数増加

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アセナピンマレイン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方シクレストは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼シクレストの有効成分
アセナピンマレイン酸塩
▼代表薬の添加物
ゼラチン、D-マンニトール


妊婦/授乳者
過敏症
昏睡状態
中枢神経抑制剤の強い影響下
重度肝機能障害<Child−Pugh分類C>
アドレナリン投与中<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
痙攣性疾患
高血糖
自殺企図
自殺念慮
脱水状態
低血圧
てんかん
糖尿病
脳血管障害
パーキンソン病
肥満
不整脈
先天性QT延長症候群
心・血管疾患
長期臥床
糖尿病の危険因子を有する
レビー小体型認知症
中等度肝機能障害<Child−Pugh分類B>
不動状態

上記にあてはまる方は、アセナピンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アセナピンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
アドレナリン<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>
中枢抑制剤
バルビツール酸誘導体
エタノール摂取
ドパミン作動薬
血圧降下剤
抗コリン作用を有する薬剤
CYP1A2阻害剤
フルボキサミン
パロキセチン
QTを延長する薬剤
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>

上記を使用している方は、アセナピンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アセナピンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
この薬は食事の影響はどの程度ありますか?

食事の影響については、臨床上問題となる影響は報告されていません。

シクレスト舌下錠

【上記引用元:Meiji Seikaファルマ株式会社】

この薬は食事の影響はどの程度ありますか?

個人差があるため一概に申し上げられませんが、10秒以内に崩壊することを確認しています。

シクレスト舌下錠

【上記引用元:Meiji Seikaファルマ株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。