成分名 |
クロミプラミン塩酸塩 |
適応症状 |
遺尿症/ナルコレプシーの情動脱力発作/うつ状態/うつ病など |
簡易説明 |
クロミプラミン塩酸塩は、脳内のノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の働きを改善するはたらきがあり、意欲を高めて、憂鬱な気分などを改善することから、精神科領域におけるうつ病・うつ状態、遺尿症、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の治療に用いられます。
また、パニック障害や過食症などいろいろな心の不具合に応用されます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/精神科/心療内科/脳神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:10mg約10円/25mg約16円
薬代1管あたりの目安:25mg約225円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【アナフラニール錠10mg/アナフラニール錠25mg】
薬価基準収載年月 : 1974年2月
販売開始年月 : 1973年8月
効能又は効果追加承認年月 : 2013年11月
【アナフラニール点滴静注液25mg】
薬価基準収載年月 : 2008年6月
販売開始年月 : 1973年8月 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内でのジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】
アナフラニール錠10mg
アナフラニール錠25mg
アナフラニール点滴静注液25mg |
関連製品(ジェネリック) |
クロフラニル【Consern Pharma,Sun Pharma】
オブセニル【コンサーナムファーマ】
アナフラニール【ノバルティス】 |
海外での使用実績 | クロミプラミン塩酸塩について、海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果では、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高い結果になりました。
なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められておらず、65歳以上においてはそのリスクが減少しました。
また、50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査では、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告があります。 |
効果・作用 |
クロミプラミン塩酸塩は、脳内のノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質の働きを改善する薬です。
意欲を高めて、憂鬱な気分などを改善することから、精神科領域におけるうつ病・うつ状態、遺尿症、ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の治療に用いられ、パニック障害や過食症などいろいろな心の不具合に応用されます。
うつ病では脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニンなどの働きが不調に陥ることで脳の機能不全が引き起こされ、意欲の低下、不安やいらいら、不眠などの症状があらわれる病気です。
脳内の神経細胞はシナプスという部位を介して神経回路を形成しており、シナプス前終末から神経伝達物質が放出されて、神経後シナプスの受容体へ作用し結合することで情報が伝達されます。
遊離された神経伝達物質の一部は「取り込み」と呼ばれるかたちで神経前終末へ回収され、この再取り込みを阻害すると伝達に使われる神経伝達物質を増やすことができて、その神経伝達物質の働きを増強することができます。
本剤は脳内におけるノルアドレナリンやセロトニンの再取り込みを阻害して、これら神経伝達物質の働きを改善することで抗うつ作用をあらわします。 |
使用方法 |
▼用法用量
[精神科領域におけるうつ病・うつ状態の場合]
・成人にはクロミプラミン塩酸塩として1日50mgから100mgを1回から3回に分割経口投与します。ただし、年齢や症状により適宜増減しますが、1日最高投与量は225mgまでとします。
[遺尿症の場合]
6歳未満の幼児にはクロミプラミン塩酸塩として1日10mgから25mgを、また6歳以上の小児には1日20mgから50mgを1回から2回に分割経口投与します。ただし、年齢や症状により適宜増減します。
[ナルコレプシーに伴う情動脱力発作の場合]
成人にはクロミプラミン塩酸塩として1日10mgから75mgを1回から3回に分割経口投与します。 |
副作用 |
重大な副作用
食欲不振/悪性症候群/Syndrome malin/無動緘黙/強度筋強剛/嚥下困難/頻脈/血圧変動/発汗/発熱/白血球増加/血清CK上昇/CK上昇/血清CPK上昇/CPK上昇/ミオグロビン尿/腎機能低下/高熱が持続/意識障害/呼吸困難/循環虚脱/脱水症状/急性腎障害/セロトニン症候群/不安/焦燥/譫妄/興奮/振戦/ミオクロヌス/反射亢進/下痢/てんかん発作/横紋筋融解症/筋肉痛/脱力感/血中ミオグロビン上昇/尿中ミオグロビン上昇/無顆粒球症/汎血球減少/咽頭痛/インフルエンザ様症状/麻痺性イレウス/腸管麻痺/悪心/嘔吐/著しい便秘/腹部膨満/腹部弛緩/腸内容物うっ滞/間質性肺炎/好酸球性肺炎/咳嗽/肺音異常/捻髪音/抗利尿ホルモン不適合分泌症候群/SIADH/低ナトリウム血症/低浸透圧血症/尿中ナトリウム排泄量増加/高張尿/痙攣/QT延長/心室頻拍/Torsades de Pointes/心室細動/肝機能障害/黄疸/AST上昇/ALT上昇/γ-GTP上昇など
その他の副作用
躁状態/不眠/あくび/性機能障害/排尿困難/視調節障害/散瞳/過敏症/発疹/そう痒感/倦怠感/異常高熱/熱感/起立性低血圧/心電図異常/不整脈/心ブロック/血圧上昇/知覚異常/幻覚/精神錯乱/攻撃的反応/激越/悪夢/抑うつ悪化/記憶障害/離人症/抗コリン作用/眼内圧亢進/緑内障/尿閉/光線過敏症/脱毛/白血球減少/血小板減少/紫斑/点状出血/好酸球増多/味覚異常/プロラクチン分泌促進/乳房肥大/乳汁漏出/体重増加/口周部不随意運動/不随意運動/食欲亢進/浮腫/言語障害/集中力欠如/運動失調など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■閉塞隅角緑内障の患者
閉塞隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあるため使用できません。投与しないでください。
■本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者には使用できません。投与しないでください。
■心筋梗塞の回復初期の患者
心筋梗塞の回復初期の患者は症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
■尿閉(前立腺疾患等)のある患者
尿閉(前立腺疾患等)のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することがあることから使用できません。投与しないでください。
■MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者には使用できません。投与しないでください。
■QT延長症候群のある患者
QT延長症候群のある患者は心室性不整脈を起こすおそれがあることから使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■開放隅角緑内障の患者
開放隅角緑内障の患者は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者
排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者
心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者は、循環器系に影響を及ぼすことがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者は、痙攣を起こすことがあります。なお、米国における臨床試験の結果、本剤の用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められています。慎重に投与してください。
■躁うつ病患者
躁うつ病患者は、躁転、自殺企図があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者
脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者は、精神症状を増悪させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■衝動性が高い併存障害を有する患者
衝動性が高い併存障害を有する患者は、精神症状を増悪させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者は、自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者
副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者は、高血圧発作を引き起こすことがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■重篤な肝・腎障害のある患者
重篤な肝・腎障害のある患者は、代謝・排泄障害により副作用があらわれやすいです。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■低血圧のある患者
低血圧のある患者は、高度の血圧低下が起こることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■低カリウム血症のある患者
低カリウム血症のある患者は、低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられます。慎重に投与してください。
■高度な慢性の便秘のある患者
高度な慢性の便秘のある患者は、抗コリン作用により症状が悪化することがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。
■小児等
小児に投与する場合には4歳以上に投与することが望ましいです。低出生体重児、新生児又は乳児に対する使用経験はありません。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・副交感神経刺激剤
ピロカルピン
セビメリン
・抗コリン作用を有する薬剤
トリヘキシフェニジル
アトロピン等
・アドレナリン作動薬
アドレナリン
ノルアドレナリン
フェニレフリン等
・アトモキセチン
・中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体等
・全身麻酔剤
ハロタン等
・抗不安剤
アルプラゾラム等
・アルコール
・サリドマイド
・フェノチアジン系精神神経用剤
レボメプロマジン等
・選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミン
パロキセチン等
・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
ミルナシプラン
・リチウム製剤
・三環系抗うつ剤
アミトリプチリン
イミプラミン等
・トラマドール塩酸塩
・リネゾリド
・肝酵素誘導作用をもつ薬剤
バルビツール酸誘導体
フェニトイン
カルバマゼピン
リファンピシン等
・フェニトイン
・抗不整脈剤
キニジン
プロパフェノン
・メチルフェニデート
・シメチジン
・黄体・卵胞ホルモン製剤
・シナカルセト
・サキナビル
・テルビナフィン
・ホスアンプレナビル
・降圧剤
グアネチジン
・インスリン製剤
インスリン
・スルフォニル尿素系糖尿病用剤
グリベンクラミド
グリクラジド
・クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
・スルファメトキサゾール・トリメトプリム
・電気ショック療法
・QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
スニチニブ
ダサチニブ
マプロチリン等
・デスモプレシン
・ゾニサミド
上記を使用している方は、クロミプラミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 クロミプラミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・MAO阻害剤
セレギリン塩酸塩
(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩
(アジレクト)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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