成分名 |
ペモリン |
適応症状 |
ペモリンは使用する用量に対して適応症が異なる医薬品になります。成分名としてペモリンを配合している医薬品には代表薬名「ベタナミン錠」がありますが、その規格には10mg、25mg、50mgと3規格あります。後述する用法・用量の通り、適応症に合わせて使用する規格を選択します。
【ベタナミン錠10mgについて】
①軽症うつ病、抑うつ神経症に対して適応症を持ちます。これは10㎎にしか適応症がありません。
【ベタナミン錠10mg/25mg/50mgについて】
②ナルコレプシー及びナルコレプシーの近縁傾眠疾患に伴う睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善に対し適応症を持ちます。どの規格を使用してもその適応症が認められております。 |
簡易説明 |
ペモリンは精神神経用剤と呼ばれる第三種向精神薬になります。
投与には1回につき30日分の規制のある医薬品になります。
服薬する事によって憂鬱な気持ちや落ち込んでいる気分をやわらげる事ができます。
また十分な睡眠をとったにもかかわらず、昼間突然に起こる我慢できない過剰な眠気を改善する医薬品として発売されました。
しかし、日本うつ病学会のうつ病の診療ガイドラインでは、軽症のうつ病では安易な薬物療法は推奨されておらず、抗うつ薬が第一選択薬として記載されております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/心療内科/精神科/小児科/産婦人科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代後発薬1錠あたりの目安:10mg約10円/25mg約20円/50mg約40円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1979年6月4日製造販売承認
1981年9月1日薬価基準収載
1981年9月1日販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
現在先発医薬品の製造はありません。 |
関連製品(ジェネリック) |
ベタナミン錠10mg/25mg/50mg【製薬メーカー:株式会社三和化学研究所】 |
効果・作用 |
ペモリンは①軽症うつ病、抑うつ神経症に効果のある医薬品になります。また、②ナルコレプシーやナルコレプシー近縁傾眠疾患に伴う睡眠発作、傾眠障害並びに精神的弛緩の改善にも効果のある医薬品になります。
【作用機序】
ペモリンは、中枢神経系のドーパミン作動性ニューロンの神経終末におけるドーパミンの放出を促進し、再取り込みを阻害する事によって神経伝達促進作用を発揮します。
その結果中枢興奮作用が生じ抗うつ効果を示します。
他の精神刺激薬とは異なり、交感神経への賦活作用は少ないです。
また、ナルコレプシー及び近縁傾眠疾患に対しては、覚醒作用、全般的精神賦活作用、大脳皮質の賦活作用と脳幹の鎮静作用によってその効果を発揮します。
【ナルコレプシーとは】
ナルコレプシーとはオレキシンを作り出す神経細胞が働かなくなるために起こる過眠症と言われております。
その症状は日中に突然強い眠気が出現して、眠り込んでしまう病気です。
ナルコレプシーの眠気は強烈で睡眠発作とも呼ばれております。
ナルコレプシーに特徴的な症状として3つあげられます。
①情動脱力発作と呼ばれる症状で絵、びっくりしたり大笑いしたときに全身や身体の一部の力が抜けてしまうカタプレキシー、②入眠時幻覚と呼ばれる症状で、寝入りばなに出現する幻覚様の体験、③睡眠麻痺と呼ばれる症状で、寝入りばなに出現する金縛りがあります。 |
使用方法 |
【軽症うつ病、抑うつ神経症】
軽症うつ病、抑うつ神経症には成分名ペモリンとして、通常成人においては、1日10mgから30mgを朝食後に経口投与する事とされております。なお、年齢や患者の症状によって適宜増減する事ができます。
こちらは代表薬名ベタナミン錠の「10㎎」の規格にしか適応症を持たないため、使用する場合は、通常はベタナミン錠10㎎を1錠~3錠の範囲で使用します。
【ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患】
ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患には成分名ペモリンとして、通常成人においては、1日20mgから200mgを朝食後、昼食後の2回に分けて経口投与する事とされております。なお、こちらも同様に年齢や患者の症状に合わせて適宜増減する事ができます。
こちらは代表薬名ベタナミン錠の全ての規格(10mg/25mg/50mg)に対して適応症を持ちますのでどの規格を選択してもらっても問題ありません。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な肝障害(頻度不明)
2)薬物依存(頻度不明)
長期投与により薬物依存を生じる事があるとされております。
その他の副作用
1)過敏症
発疹(頻度不明)
2)精神神経系
不眠(5%以上)
焦躁感、頭痛、逆説的傾眠、肩こり、不安(0.1~5%未満)
眩暈、幻覚、興奮、刺激性、運動亢進(頻度不明)
3)消化器
口渇(5%以上)
食欲不振、嘔気、便秘、胃部不快感(0.1~5%未満)
4)循環器
頻脈、心悸亢進(0.1~5%未満)
5)その他
発汗、疲労(0.1~5%未満)
発熱(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)過度の不安、緊張、興奮性、焦躁、幻覚、妄想症状、強迫状態、ヒステリー状態、舞踏病のある患者
中枢神経刺激作用により症状を悪化させる恐れがある為服用できません。
2)重篤な肝障害のある患者
肝不全を起こすことがある為服用できません。
3)閉塞隅角緑内障のある患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある為服用できません。
4)甲状腺機能亢進のある患者
循環器系に影響を及ぼす恐れがある為服用できません。
5)不整頻拍、狭心症、動脈硬化症の患者
症状を悪化させる恐れがある為服用できません。
6)てんかん等の痙攣性疾患の患者
痙攣閾値を低下させる恐れがある為服用できません。
7)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
■ペモリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ベタナミン錠10mg/25mg/50mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベタナミン錠10mg/25mg/50mgの有効成分
ペモリン
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、カルメロースCa、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①てんかんの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させる恐れがある為服用に注意が必要になります。
②高血圧の患者
血圧を上昇させる恐れがある為服用に注意が必要になります。
③開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある為服用に注意が必要になります。
2)腎機能障害患者(重篤な腎機能障害のある患者)
本剤は主に腎で排泄される為副作用が強く現れる恐れがある為服用に注意が必要になります。
3)肝機能障害患者(重篤な肝機能障害のある患者)
肝障害が強く現れ致死的になる恐れがある為服用に注意が必要になります。
4)妊婦
5)授乳婦
6)小児等
外国で小児への投与により致死的な急性肝不全が起こったとの報告、また、長期投与により発育抑制があらわれたとの報告がある為服用に注意が必要になります。
7)高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下している為服用に注意が必要になります。
上記にあてはまる方は、ペモリンを使用する事が出来ない可能性があります。 ペモリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)昇圧剤(エホチール錠、リズミック錠、メトリジン錠/D錠、ジヒデルゴット錠、ドプスOD錠等)
本剤の交感神経刺激作用により昇圧剤の作用を増強する恐れがある為併用に注意が必要になります。
2)MAO阻害剤(エフピー、アジレクト、エクフィナ、イスコチン、ネオイスコチン等)
本剤の交感神経刺激作用によりMAO阻害剤の作用を増強する恐れがある為併用に注意が必要になります。
3)グアネチジン(日本では販売が中止され、2001年3月末を以て経過措置期限が終了しました。)
本剤が交感神経遮断作用に拮抗する為、降圧作用を減弱する恐れがある為併用に注意が必要になります。
上記を使用している方は、ペモリンを使用する事が出来ない可能性があります。 ペモリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】 |
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