成分名 |
アモキサピン |
適応症状 |
うつ病 |
簡易説明 |
アモキサピンは抗うつ薬の中で三環系抗うつ薬と分類されています。
1963年にスイスで合成され、アメリカのサイアナミッド社によって開発されました。
当時は抗コリン作用(*後述)の少ない強力な抗うつ薬と位置づけられていましたが、最近では新しい抗うつ薬が開発され、第一選択薬としての役割は他剤に譲っています。
日本国内では1970年に動物実験が開始され、1980年の発売となりました。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安(*):140円(2.5㎎錠10円×14日)~1,380円(50㎎錠20×6錠×14日)
(*)必要最低限の処方にとどめる必要があるため、ここでは最大14日分の処方として計算
薬代1カプセルあたりの目安:10㎎錠5.90円/25㎎錠10.30円/50㎎錠16.40円/10%細粒28.40円
薬代後発品1カプセルあたりの目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要となる。
副作用チェックのため、定期的に血液検査を行います。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始日:1980年6月10日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アモキサンカプセル、アモキサン細粒【製造メーカー:ファイザー株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | 海外では販売されていません(2022年5月現在)。 |
効果・作用 |
うつ病の原因はひとつではなく、「環境要因」「性格傾向」「遺伝的要因」「慢性的な身体疾患」など様々な要因によって引き起こされると考えられていますが、正確な発症原因はよくわかっていません。
一般的にストレスといわれる精神的ストレスだけでなく身体的ストレスも原因となることがありますし、うれしい出来事の後に発症することもあります。
これらにより脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」などの働きが低下することで、感情のコントロールなどの情報の伝達に異変がおこり、うつ病が引き起こされると考えられています。
脳内には過剰なセロトニンなどの神経伝達物質を再取り込みする働きがあります。
三環系抗うつ薬はこの再取り込みを阻害することで神経伝達物質の総量を増やすことで治療効果を発揮します。
一方、三環系抗うつ薬にはアセチルコリンの働きを阻害する作用もあるため、後述の抗コリン作用に伴う副作用が課題となっています。
本剤は新規の抗うつ薬が登場する前は、この抗コリン作用が弱い(=のどの乾きなどの副作用が少ない)薬剤と位置づけられていました。
また、重大な副作用が多いことも本剤が第一選択薬の位置づけを終えた理由の一つになっています。
なお、現在の抗うつ薬の主流派SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが主流となっています。
うつ病の原因が様々なのと同様、うつ病の症状も様々です。
一般的に考えれれている気分の落ち込みなどの精神症状だけでなく、食欲不振、頭痛、動悸などの身体症状が現れることもあります。
またこれに付随して治療方法も様々なものがあります。
抗うつ薬による薬物療法ももちろん効果的ではありますが、しっかりと休養をとることも重要な治療方法となります。
カウンセリングなどの精神療法が有効な場合もありますし、医療機器を用いた治療などもあります。
うつ病の治療期間は「急性期」「回復期」「再発予防期」にわかれると考えられています。
急性期には休養と薬物療法、回復期・再発予防期には薬物療法と精神療法が重視されています。
なお、それぞれの期間はその方によって大きく異なりますが、一般的には急性期は1~3ヶ月、回復期が4ヵ月~6ヵ月、再発予防期が1年~と言われています。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | 本剤には併用しては併用を注意すべき薬がありますので、予防接種や治療を受ける際は医師や薬剤師に本剤を飲んでいることを伝えてください。 |
使用方法 |
1日25㎎~75㎎を1回~数回に分けてのみます。
※効果が不十分な場合は150㎎(50㎎3錠)、特に症状が重たい場合は300㎎(50㎎6錠)まで増量します。 |
副作用 |
重大な副作用
・悪性症候群(高熱、意識障害、筋強直、横紋筋融解症など):頻度不明
・痙攣:0.32%、精神錯乱:0.16%、幻覚:頻度不明、せん妄:頻度不明
・無顆粒球症(白血球減少などの血液障害):頻度不明
・麻痺性イレウス(腸管麻痺伴う食欲不振、嘔吐などの消化器症状):頻度不明
・遅発性ジスキネジア(口の周りが無意識に動く):頻度不明
・重度の皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症:TEN、皮膚粘膜眼症候群:Stevens-Johnson症候群、急性汎発性発疹性膿疱症):頻度不明
・肝機能障害、黄疸:頻度不明
その他の副作用
眠気、不眠、のどの渇き(16.04%)、便秘、めまい
※抗コリン作用(*)により、緑内障などの眼圧上昇症状の悪化(まぶしさ、かすみ目等)や排尿障害の悪化がおこることがあります。
(*)抗コリン作用:副交感神経(リラックスしている状態で働く神経)を抑える作用。目の症状、排尿障害やのどの乾きなどがおこります。
※不安、興奮、不眠、攻撃性、躁病などがおこることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・閉塞隅角緑内障の方(症状が悪化するおそれがあるため)
・三環系抗うつ薬でアレルギー等が出た方(アレルギーがおこりやすいため)
・心筋梗塞が回復中の方(症状が悪化するおそれがあるため)
・モノアミン酸化酵素阻害剤(抗うつ薬・抗パーキンソン病薬)を投与中、投与直後(2週間以内)の方(副作用がおこりやすいため)
使用に注意が必要な方 ・24歳以下の方(自殺願望のリスクが増加するため)
・自動車運転等の危険を伴う機械の操作をする方(眠気、集中力等の低下がおこるため)
・排尿障害や眼圧上昇症状のある方(症状が悪化するおそれがあります)
・心臓病の方、甲状腺機能亢進症の方(心臓に悪影響を及ぼすおそれがあります)
・てんかんの方(痙攣発作をおこすおそれがあります)
・統合失調症の方、脳に病気のある方、衝動性の高い方、躁病の方(精神症状を悪化させるおそれがあります)
・自殺願望のある方(願望を増強するおそれがあります)
・妊婦、授乳婦の方(動物実験で胎児への悪影響や母乳への移行が報告されています)
・高齢者(抗コリン作用や低血圧などの副作用が現れやすいため)
上記にあてはまる方は、アモキサピンを使用する事が出来ない可能性があります。 アモキサピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗コリン薬:抗コリン作用が強くあらわれるため
・アドレナリン作動薬:血圧上昇など心血管への作用が強くあらわれるため
・中枢神経抑制剤(睡眠薬、鎮静薬、抗てんかん薬等):本剤の作用が強くあらわれるため
・グアネチジン(血圧降下薬):降圧効果が強くあらわれるため
・シメチジン(胃薬):本剤の作用が強くあらわれるため
・アルコール:相互に作用が強くあらわれるため
・選択的セロトニン再取り込み阻害剤(抗うつ薬):本剤の作用が強くあらわれるため
・リネゾリド(抗生物質)、メチレンブルー(着色料):精神症状があらわれるおそれがあるため
上記を使用している方は、アモキサピンを使用する事が出来ない可能性があります。 アモキサピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・モノアミン酸化酵素阻害剤:副作用が現れやすくなるため
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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