ミルナシプラン塩酸塩

成分名

ミルナシプラン塩酸塩

適応症状

うつ病・うつ状態

簡易説明

うつ病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの減少によって引き起こされます。
それまでの薬は選択的にセロトニンに作用し、セロトニンの再取り込みを阻害するものでした。
しかし本剤は、セロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り込みを阻害することによって、既存の薬よりも早くうつ病を取り除けると期待されています。
副作用も比較的少ないので、使いやすい薬になっています。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:
 トレドミン錠12.5mg/10.4円(旭化成ファーマ)
 トレドミン錠15mg/14円(旭化成ファーマ)
 トレドミン錠25mg/19.7円(旭化成ファーマ)
 トレドミン錠50mg/33.1円(旭化成ファーマ)
 ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「サワイ」/8.4円(沢井製薬)
 ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「サワイ」/9円(沢井製薬)
 ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「サワイ」/12.6円(沢井製薬)
 ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「サワイ」/20.9円(沢井製薬)
 ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「NP」/8.4円(ニプロ)
 ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「NP」/9円(ニプロ)
 ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「NP」/9.3円(ニプロ)
 ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「NP」/20.9円(ニプロ)
 ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「アメル」/8.4円(共和薬品工業)
 ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「アメル」/9円(共和薬品工業)
 ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「アメル」/12.6円(共和薬品工業)
 ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「アメル」/20.9円(共和薬品工業)
 ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「日医工」/8.4円(日医工)
 ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「日医工」/9円(日医工)
 ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「日医工」/12.6円(日医工)
 ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「日医工」/20.9円(日医工)
 ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「トーワ」/8.4円(東和薬品)
 ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「トーワ」/9円(東和薬品)
 ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「トーワ」/12.6円(東和薬品)
 ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「トーワ」/20.9円(東和薬品)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年11月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

トレドミン錠12.5mg(旭化成ファーマ)
トレドミン錠15mg(旭化成ファーマ)
トレドミン錠25mg(旭化成ファーマ)
トレドミン錠50mg(旭化成ファーマ)

関連製品(ジェネリック)

ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「サワイ」(沢井製薬)
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「サワイ」(沢井製薬)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「サワイ」(沢井製薬)
ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「サワイ」(沢井製薬)
ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「NP」(ニプロ)
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「NP」(ニプロ)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「NP」(ニプロ)
ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「NP」(ニプロ)
ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「アメル」(共和薬品工業)
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「アメル」(共和薬品工業)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「アメル」(共和薬品工業)
ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「アメル」(共和薬品工業)
ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「日医工」(日医工)
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「日医工」(日医工)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「日医工」(日医工)
ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「日医工」(日医工)
ミルナシプラン塩酸塩錠12.5mg「トーワ」(東和薬品)
ミルナシプラン塩酸塩錠15mg「トーワ」(東和薬品)
ミルナシプラン塩酸塩錠25mg「トーワ」(東和薬品)
ミルナシプラン塩酸塩錠50mg「トーワ」(東和薬品)
ミルザ(Intas Pharma)
ミルネース25(3M Pharmaceuticals)
イクセル(Pierre Fabre)

海外での使用実績

フランスのピエール・ファーブル・メディカメン社で開発されました。
トレドミンの医薬品インタビューフォームによれば、名称は「Tolerance is dominant」(忍容性が優れている)から命名されたとされています。

効果・作用

うつ病の起因としては、脳内の神経伝達物質の不足が原因とされています。
主にセロトニンやノルアドレナリンです。
自発的にまたは意図的に神経伝達物質を増やすことは不可能に近いので、外的要因でこれらの物質を増やしてあげる必要がありますが、そういった場合に本剤が用いられます。
セロトニンやノルアドレナリンは、放出された後に再び細胞内へと取り込まれていきます。
細胞内への取り込みを再取り込みと呼び、放出量が減少しているのに再取り込みが行われると、相対的に神経伝達物質の量は減ってしまいます。
つまり本剤は、この再取り込みの過程を阻害する薬です。
本剤の発売前は、代表的なセロトニンかノルアドレナリンのどちらかにしか作用しませんでした。
しかしどちらの物質も減少していますので、どちらも増やしてあげるという考えに基づき製剤されています。
本剤のような作用機序を示す薬を、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)と呼びます。
それまで販売されていたSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)とは異なる作用機序を示すため、SSRIでは効果の得られない方などに使用されます。
そして他の抗うつ剤よりも効果があらわれるのが早いとされており、比較的早くうつ病を取り除ける可能性があります。
さらに三環系抗うつ剤、四環系抗うつ剤にみられる副作用を極力削った薬です。

使用方法

通常、成人にはミルナシプラン塩酸塩として1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、1日2〜3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ただし高齢者には、1日25mgを初期用量とし、1日60mgまで漸増し、1日2〜3回に分けて食後に経口投与します。

副作用

主な副作用
嘔吐・悪心・便秘・倦怠感・AST上昇・ALT上昇・γ-GTP上昇・起立性低血圧・動悸・血圧上昇・眠気

重大な副作用
頻脈・発汗・発熱・セロトニン症候群・激越・錯乱・幻覚・反射亢進・ミオクロヌス・戦慄・振戦・協調異常・白血球減少・重篤な皮膚障害・皮膚粘膜眼症候群・Stevens-Johnson症候群・紅斑・そう痒感・眼充血・口内炎・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群・SIADH・低ナトリウム血症・低浸透圧血症・尿中ナトリウム増加・高張尿・意識障害・食欲不振・頭痛・嘔気・全身倦怠感・黄疸・高血圧クリーゼ・悪性症候群・Syndrome malin・無動緘黙・強度筋強剛・嚥下困難・血圧変動・痙攣・肝機能障害

その他の副作用
めまい・ふらつき・立ちくらみ・視調節障害・躁転・焦燥感・知覚減退・しびれ感・不眠・頭がぼーっとする・筋緊張亢進・アカシジア・口部ジスキネジア・パーキンソン様症状・錐体外路障害・不安・過敏症・発疹・口渇・腹痛・腹部膨満感・胸やけ・味覚異常・舌異常・食欲亢進・下痢・排尿障害・頻尿・尿蛋白陽性・熱感・悪寒・冷感・耳鳴・息苦しい・性機能異常・勃起力減退・射精障害・精巣痛・性液漏・トリグリセライド上昇・血圧低下・上室性頻拍・脱毛・譫妄・被注察間・聴覚過敏・自生思考・飲水量増加・尿失禁・鼻閉・関節痛・浮腫・CK上昇・脱力感・胸痛など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ミルナシプラン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、トレドミン錠12.5mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼トレドミン錠12.5mgの有効成分
ミルナシプラン塩酸塩 12.5mg
▼トレドミン錠12.5mgの添加物
無水リン酸水素カルシウム、カルメロースカルシウム、ヒプロメロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース、セタノール、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、酸化チタン、タルク、カルナウバロウ、三二酸化鉄

■他に使用できない方
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・モノアミン酸化酵素阻害剤を服用中、あるいは服薬中止後2週間以内の方
・尿閉(前立腺疾患等)のある方

使用に注意が必要な方
・排尿困難のある方
・緑内障または眼内圧亢進のある方
・心疾患のある方
・高血圧のある方
・てんかん等の痙攣性疾患またはその既往歴のある方
・躁うつ病の方
・自殺念慮または自殺企図の既往のある方、自殺念慮のある方
・脳の器質障害または統合失調症の素因のある方
・腎機能障害、肝機能障害のある方
・妊婦、授乳婦等
・小児等
・高齢者

上記にあてはまる方は、ミルナシプラン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ミルナシプラン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・アルコール
・中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)
・降圧剤(クロニジン等)
・炭酸リチウム
・5-HT 1B/1D 受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩等)
・リスデキサンフェタミンメシル酸塩
・メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
・ジゴキシン
・アドレナリン、ノルアドレナリン

上記を使用している方は、ミルナシプラン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ミルナシプラン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー、アジレクト、エクフィナ)

よくある質問
自動車の運転などはしてもいいですか?

これまでは副作用の関係で行わないようにとされていました。しかし最近になって改訂が行われ、医師が副作用に対して適切な指導を行うなどの一定の条件を満たしたうえで、十分に注意して運転などを行うようにするとされました。服用初期はどんな副作用が出るかわからないのでなるべく控えたほうが良いですが、ある程度服用して副作用の出方などが理解でき、医師も大丈夫であると判断すればしてもよいといえるでしょう。

服用するうえでの注意はありますか?

服用によって自殺念慮や自殺企図のリスクが出てくる場合があります。こういった症状が出たからといって自己判断で内服量の増量などは絶対にやめてください。医師は本人及び家族に対してそのような症状が出てくる可能性があることを十分に説明し、本人や周囲の人が本人の様子をうかがいながら服用していく必要があります。また症状が出た場合は減量や投与の中止も視野に検討されますので、速やかに医療機関へ受診してください。
トレドミン錠12.5mg/15mg/25mg/50mg 【旭化成ファーマ株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。