成分名 |
ボルチオキセチン臭化水素酸塩 |
適応症状 |
うつ病 |
簡易説明 |
ボルチオキセチン臭化水素酸塩は、セロトニン再取り込み阻害作用とセロトニン受容体を調節する作用をもつ成分で、デンマークのH.Lundbeck A/Sで開発されました。
ボルチオキセチン臭化水素酸塩を主成分とするトリンテリックス錠(以下、本剤)は2013年にアメリカ、ヨーロッパで承認され、日本国内では2019年に製造承認が下りました。
本剤はセロトニンだけでなく、ノルアドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの調節作用をもつ、新規の抗うつ薬です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/精神科/心療内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約4,850円(10㎎×30日)~7,280円(20㎎×30日)
薬代1錠あたりの目安:10㎎ 161.70円/20㎎ 242.50円
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2019年11月27日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
トリンテリックス錠【製薬メーカー:武田薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | 本剤はアメリカ、ヨーロッパを含む世界80か国以上で承認されています(2021年12月現在)。
【アメリカ】
販売名:TRINTELLIX
承認年月:2013年9月
含量:5mg、10㎎、20㎎
適応症:大うつ病性障害の治療
【ヨーロッパ】
販売名:Brintellix
承認年月:2013年12月
含量:5mg、10㎎、15㎎、20㎎
適応症:成人の大うつ病性障害の治療 |
効果・作用 |
本剤は、従来の代表的な抗うつ薬、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)とは異なり、セロトニンの再取り込みを抑える作用に加え、セロトニン受容体調整作用を併せ持つ薬です。セロトニン受容体調整作用とは、具体的にはセロトニン・ノルアドレナリン・ドパミン、アセチルコリン・ヒスタミンといった神経伝達物質の遊離を促進する作用、つまり、これらの神経伝達物質の作用を高める働きをもつ薬となります。
本剤の有効性は国内外の多数の臨床試験によって確認されています。
日本国内では第Ⅲ相試験で二重盲検比較試験(CCT-003試験)とそれに続く長期継続投与試験(OCT-001試験)が行われています。
CCT-003試験
大うつ病性障害の方を対象とし、投与8週間時点でのMRDSスコア(*)の変化量を検討した結果、本剤投与群は本剤未使用群と比較して有意な低下がみられました。
OCT-001試験
CCT-003試験に引き続き、本剤投与の長期成績を調べた結果、本剤継続投与50週後の抗うつ効果維持が確認できました。
(*)MRDSスコア(Montgomery Asbergうつ病評価尺度):10項目の質問からなる問診票で、点数が高いほど病状が悪いことを示します。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | ワクチン接種や治療で受診する場合や他の薬を購入する場合は、医師や薬剤師に本剤を飲んでいることを必ず伝えてください。 |
使用方法 |
1日1回10㎎を飲みます。症状等により最大1日20㎎まで増量しますが、増量は1週間以上の間隔を空けて行います。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:47.5%(499/1,050)※検査値異常を含む
悪心 19.0%(200/1,050)、傾眠 6.0%(63/1,050)、頭痛 5.7%(60/1,050)
重大な副作用
・セロトニン症候群:急に精神的におちつかなくなる、体が震える、汗が出る、脈が速くなる、発熱、筋肉のこわばり、手足のびくつき。
・痙攣:顔や手足の筋肉がぴくつく、一時的にボーっとする、意識の低下、手足の筋肉が硬直してガクガクと震える。
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:けいれん、意識の低下、意識の消失、吐き気、食欲不振。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を使用中または使用中止後14日以内の方
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が上昇し、セロトニン症候群があらわれることがあるので、服用できません。
■ボルチオキセチン臭化水素酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、トリンテリックス錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼トリンテリックス錠の有効成分
ボルチオキセチン臭化水素酸塩
▼トリンテリックス錠の添加物
(共通の添加物)
D-マンニトール、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウムタルク、黄色三二酸化鉄
(20㎎のみ使用されている添加物)
三二酸化鉄
使用に注意が必要な方 ・遺伝的に薬物代謝酵素CYP2D6の活性が不足している方:【併用注意薬】参照。
・自殺願望のあった/ある方:自殺願望が現れることがあります。
・双極性障害(躁うつ病)の方:躁状態や自殺願望が現れることがあります。
・脳の疾患または統合失調症の可能性のある方、衝動性が高い精神疾患のある方:精神症状が悪化するおそれがあります。
・痙攣性疾患(てんかん等)の方/かかったことのある方:痙攣が現れるおそれがあります。
・緑内障や眼内圧亢進のある方:症状を悪化させるおそれがあります。
・妊婦:動物実験や臨床試験で胎児への悪影響が報告されているため、有益性が危険性を上回ると判断されたときのみ使用します。
・授乳婦:動物実験で乳汁への移行が報告されているため、有益性を考慮した上で授乳の継続または中止を検討します。
・小児を対象とした国内での臨床試験を行っていません(海外の臨床試験で有効性が確認できなかったとの報告があります。
・高齢者:副作用がおこりやすい可能性があります。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・セロトニン作用による症状(セロトニン症候群等)があらわれるおそれのある薬
リネゾリド、メチレンブルー、セロトニン作用薬、セイヨウオトギリソウ含有食品、等
・薬物代謝酵素CYP2D6を阻害する薬:本剤の代謝が阻害される(作用が強くあらわれる)おそれのある薬
CYP2D6阻害剤(パロキセチン塩酸塩水和物、キニジン硫酸塩水和物、等)
・薬物代謝酵素CYP2D6等を誘導する薬:本剤の代謝が促進される(作用が弱まる)おそれのある薬
リファンピシン、カルバマゼピン、フェイトニン、等
・出血傾向が増強する(出血しやすくなる、血が止まりにくくなる)薬
非定型抗精神病薬、フェノチアジン系抗精神病薬、三環系抗うつ薬、非ステロイド系抗炎症剤(アスピリン等)、ワルファリンカリウム、等
・アルコール(飲酒):他の抗うつ薬で作用が増強されているため、飲酒を避けることが望ましいとされています。
上記を使用している方は、ボルチオキセチン臭化水素酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ボルチオキセチン臭化水素酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 MAO阻害剤:【使用ができない方】参照。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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