トリミプラミンマレイン酸塩

成分名

トリミプラミンマレイン酸塩

適応症状

うつ病・うつ状態

簡易説明

うつ状態やうつ病の方の脳内では、セロトニンやノルアドレナリンをはじめとした「神経伝達物質」のはたらきが異常な状態になったり、それらが脳内に放出される量のバランスが崩れたりしています。
トリミプラミンは、脳内においてこの神経伝達物質が回収される過程をブロックし、神経伝達物質が枯渇することを防ぎます。
その結果、神経伝達物質の量やバランスが整いうつ症状を緩和するとされています。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg 6.4円
薬代1錠あたりの目安:25mg 11.6円
薬代1gあたりの目安:1g 40.2円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1967年1月(錠10㎎)/ 1965年6月(錠25㎎)/ 1965年6月(散10%)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

スルモンチール10㎎/スルモンチール25㎎/スルモンチール散10%【共和薬品工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

うつ状態やうつ病の方の脳内では、セロトニンやノルアドレナリンをはじめとした各種「神経伝達物質」のはたらきが異常な状態になったり、それらが脳内に放出される量のバランスが崩れたりしています。
その結果、脳の機能不全が引き起こされてしまい、不安、イライラ、意欲の低下、だるさ、不眠、頭痛、肩こり、動悸、めまいなどの様々な不調があらわれます。
特にセロトニンやノルアドレナリンなどの「神経伝達物質」が枯渇した状態になると上記のようなうつ症状が現れるといわれています。
トリミプラミンは、脳内においてこの神経伝達物質が回収される過程をブロックし、神経伝達物質が枯渇することを防ぎます。
その結果、神経伝達物質の量やバランスが整い、うつ症状を緩和するとされています。
トリミプラミンはうつ病の薬の中でも初期に発売された薬であり様々な神経伝達物質(ヒスタミンやムスカリンアドレナリンなど)に作用してしまう特徴があり、効果が強い反面、便秘や悪心、口の異常な渇きなどの副作用の頻度が高い点に注意が必要です。
そのためその他のうつ病の薬で効果のない場合に使用されることが多いのが現状です。
また効果を感じるようになるまでは4週間程度かかるといわれていて、この点に関してもその他のうつ病の薬よりも長い期間なので注意が必要です。

使用方法

■成人の場合
トリミプラミンとして1日あたり50~100ミリグラムで服用を開始して様子を見ます
※1日あたり200ミリグラムまで徐々に増やしていきます(300ミリグラムまで増量することも可能です)
※症状、年齢などにより、医師の指示のもと適宜減量、増量することが可能です
※うつ病の薬を服用することで、24歳以下の患者で、自殺をしたくなったり、自殺を計画したりするリスクが増加するとのデータがあります。
トリミプラミンの服用か開始する際、メリットとデメリットを医師としっかり相談しましょう

副作用

重大な副作用
(頻度は不明です)
・悪性症候群:強い筋肉のこわばり、食べ物や飲み物が飲み込めない、脈が異常に速くなる、血圧の変動が大きくなる、異常な発汗などが目安です。さらに発熱が起き始めた場合は服用を中止し、体を冷やし水分補給などの緊急対応をした後で病院を受診してください
・無顆粒球症:発熱、のどの痛み、インフルエンザのような症状、風邪をひきやすくなるなどが目安です。このような症状が現れた際には服用を中止してください
・麻痺性イレウス:食欲がない、吐き気、嘔吐、著しい便秘、お腹のはりなどが目安です。このような症状が現れた際には服用を中止してください
・幻覚、錯乱:このような症状が現れた際には服用を中止してください

その他の副作用
・過敏症:発疹、かゆみ
・肝臓:肝臓の機能低下、黄だん
・精神神経系:手の震えなどのパーキンソン症状、うまく手足が動かせない、身体の感覚異常、不眠、不安、異常なあせり、ねむけ
・血液:白血球が減少するなどの血液検査の異常
・循環器:血圧が下がる、脈が速くなる、動悸など
・抗コリン作用:口が渇く、尿がでない、尿が出すぎる、眼圧の上昇、眼の異常、便秘、鼻づまり
・消化器:悪心、嘔吐、 食欲の低下、下痢、味覚障害、
・その他:倦怠感、ふらつき、めまい、頭痛、発汗など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・「閉塞隅角緑内障」の方
※トリミプラミンの副作用で眼圧が上昇し、閉塞隅角緑内障を悪化させる可能性があります

・「三環系抗うつ薬」に対し過敏症のある方
※重大なアレルギー反応が起こる可能性があります
▼「三環系抗うつ薬」に分類される成分
アミトリプチリン/イミプラミン/クロミプラミン/トリミプラミン/ノルトリプチリン/アモキサピン/ドスレピン/ロフェプラミンなど

・「心筋梗塞」の回復初期の方
※心機能を抑制する危険が高まります

・トリミプラミンの服用後に運転などの危険を伴う機械の操作の予定がある方
※眠気、注意力低下、集中力低下、運動機能の低下が起こる可能性があります

使用に注意が必要な方
・「開放隅角緑内障」の方
※眼圧が上昇して「開放隅角緑内障」が悪化する可能性があります
・排尿困難(尿が出ない)または眼圧が高い方
※さらに症状を悪化させる可能性があります
・心臓、甲状腺の疾患を治療中の方
※さらに症状を悪化させる可能性があります
・てんかんなどの「けいれん性疾患」を治療中の方
※けいれんを起こす可能性があります
・「躁うつ病」を治療中の方
※躁状態になったり、自殺のリスクが高まったりする可能性があります
・自殺をほのめかしている方、自殺未遂の経験がある方
※自殺のリスクが高まる可能性があります
・脳の機能障害または統合失調症の傾向にある方
※さらに症状を悪化させる可能性があります
・衝動性が高い精神障害を治療中の方
※さらに症状を悪化させる可能性があります
・高齢者
※身体機能の低下により、血圧の低下、めまい、ふらつき、異常な口の渇き、排尿困難(尿が出ない)、便秘、眼圧の上昇などがあらわれやすいので慎重に服用を開始してください
・妊娠している方
※トリミプラミン服用のメリットがデメリットを上回と医師が判断した場合にのみ服用してください
※ラットによる動物試験で奇形が発生したというデータがあります
・小児等
※使用経験が少なく安全性が確立していません

上記にあてはまる方は、トリミプラミンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トリミプラミンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・抗コリン作用がある薬
※トリミプラミンの作用がさらに強く出すぎてしまう可能性があります
・アドレナリン作用がある薬
※トリミプラミンの作用がさらに強く出すぎてしまう可能性があります
・中枢神経をおさえる薬
※トリミプラミンの作用がさらに強く出すぎてしまう可能性があります
・アルコール
※トリミプラミンの作用がさらに強く出すぎてしまう可能性があります
・グアネチジン
※グアネチジンの血圧をあげる効果を弱める可能性があります
・スルファメトキサゾール・トリメトプリム
※トリミプラミンの作用が弱くなってしまう可能性があります

上記を使用している方は、トリミプラミンマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
トリミプラミンマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
・MAO阻害剤
※異常な発汗、異常な高熱、昏睡状態、不穏な状態、全身のけいれんなどの症状があらわれる可能性があります
▼MAO阻害剤(成分名)
セレギリン塩酸塩/ラサギリンメシル酸塩//サフィナミドメシル酸塩など

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
トリミプラミンを過剰に服用してしまった場合の対処方法はありますか?

低血圧、ねむけ、脈が速くなる、呼吸が苦しくなるなどの症状から始まり、中毒症状では、意識を失う、全身のけいれん、重篤な不整脈があらわれる可能性があります。
トリミプラミンに対する解毒剤はありませんので中毒症状が現れた際はすぐに病院を受診させてください。

うつ症状が良くなってきたので中止してもよいでしょうか?

服用している量を急激に減らしたり、中止したりすることで、頭痛、吐き気、倦怠感、不安の増強、睡眠障害などの離脱症状があらわれる可能性があります。
服用を中止する場合には必ず医師の指示に従って徐々に減らしていってください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。