ハロペリドール

成分名

ハロペリドール

適応症状

統合失調症/うつ病/躁病/躁うつ病/せん妄/ジスキネジア/ハンチントン病/トゥレット障害など

簡易説明

統合失調症などの治療に用いられる薬は抗精神病薬と呼ばれ、大きく、定型抗精神病薬(第一世代)、非定型抗精神病薬 (第二世代)に分けられます。
ハロペリドール(英:Haloperidol)は、第一世代の抗精神病薬として古くから使われている標準的な安定剤です。
第一世代の中でも、ブチロフェノン系という系統に分類され、妄想や幻覚をおさえる作用が強いのが特徴です。

起源としては、1957年ベルギーのヤンセン社の薬理学者ポール・ヤンセン(Paul Janssen)により、アンフェタミン(覚せい剤)による運動量昂進に対して拮抗する薬物として発見されました。
主に中枢神経のドパミンD2受容体を遮断することで、神経の高ぶりや不安感をしずめ、気持ちを穏やかにします。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~約5000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約60円~約90円(薬価)
※病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1964年12月 販売開始(セレネース錠0.75mg)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

セレネース

関連製品(ジェネリック)

ノロドール/リントン/ハロペリドール

効果・作用

心の病気の一つである「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不調を生じる病気です。
決して珍しい病気ではなく、100人に1人くらいはかかる一般的な病気です。
現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。幻聴や幻覚、妄想を生じることもあります。

ハロペリドールは、そのような脳内の情報伝達系の混乱を改善します。それは主に、ドーパミンという神経伝達物質をおさえる作用によるものです。とくに陽性症状(妄想、幻覚、幻聴、混乱、興奮)に強い効果が期待できます。
強い不安や緊張感を和らげて気分を安定させる作用があるので、統合失調症に限らず、躁状態、夜間せん妄、強い不安感や緊張感、混乱状態を鎮めるのに用いることがあります。

使用方法

通常成人1日0.75〜2.25mgから始め、徐々に増量して下さい。
維持量として、1日3〜6mgを経口投与して下さい。
なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。

副作用
【主な副作用】

便秘/ジスキネジー/不随意運動/頭痛/血圧降下/起立性低血圧/心電図異常/QT間隔延長/T波変化/肝機能異常/錐体外路症状

【重大な副作用】

悪性症候群/Syndrome malin/無動緘黙/強度筋強剛/筋強剛/嚥下困難/頻脈/血圧変動/発汗/発熱/白血球増加/血清CK上昇/CK上昇/血清CPK上昇/CPK上昇/ミオグロビン尿/腎機能低下/嚥下性肺炎/高熱が持続/意識障害/呼吸困難/循環虚脱/脱水症状/急性腎障害/心室細動/心室頻拍/Torsades de Pointes/QT延長/麻痺性イレウス/腸管麻痺/食欲不振/悪心/嘔吐/著しい便秘/腹部膨満/腹部弛緩/腸内容物うっ滞/遅発性ジスキネジー/口周部不随意運動/四肢不随意運動/抗利尿ホルモン不適合分泌症候群/SIADH/低ナトリウム血症/低浸透圧血症/尿中ナトリウム排泄量増加/高張尿/痙攣/無顆粒球症/白血球減少/血小板減少/咽頭痛/全身倦怠/皮下出血/粘膜下出血/横紋筋融解症/筋肉痛/脱力感/血中ミオグロビン上昇/尿中ミオグロビン上昇/肺塞栓症/深部静脈血栓症/静脈血栓症/血栓塞栓症/息切れ/胸痛/四肢疼痛/浮腫/肝機能障害/黄疸/AST上昇/ALT上昇/γ−GTP上昇/Al−P上昇/ビリルビン上昇

【その他の副作用】

パーキンソン症候群/振戦/流涎/寡動/歩行障害/仮面様顔貌/嚥下障害/アカシジア/静座不能/ジストニア/痙攣性斜頚/顔面攣縮/喉頭攣縮/頚部攣縮/後弓反張/眼球上転発作/眼調節障害/角膜混濁/水晶体混濁/角膜色素沈着/過敏症/発疹/蕁麻疹/そう痒感/光線過敏症/貧血/下痢/口渇/月経異常/体重増加/女性化乳房/乳汁分泌/高プロラクチン血症/インポテンス/持続勃起/不眠/焦燥感/神経過敏/眠気/眩暈/頭重/不安/幻覚/興奮/性欲異常/過鎮静/抑うつ/知覚変容発作/倦怠感/疲労感/潮紅/鼻閉/排尿困難/体温調節障害

使用に注意が必要な方
使用出来ない方
【慎重投与】

QT延長
肝障害
痙攣性疾患
甲状腺機能亢進状態
低カリウム血症
低血圧
てんかん
脳器質的障害
薬物過敏症
栄養不良状態を伴う身体的疲弊
脱水を伴う身体的疲弊
心・血管疾患
QT延長を起こすことが知られている薬剤投与中
幼児・小児

【使用に注意が必要な方】

脱水状態
肥満
長期臥床
不動状態
高齢者

【使用が出来ない方】

過敏症
昏睡状態
重症心不全
パーキンソン病
中枢神経抑制剤の強い影響下
アドレナリン投与中<アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く>
妊婦・産婦

上記にあてはまる方は、ハロペリドールを使用する事が出来ない可能性があります。
ハロペリドールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
【併用注意】

・中枢神経抑制剤
 -バルビツール酸誘導体等
・アルコール
・リチウム
・抗コリン作用を有する薬剤
 -抗コリン作動性抗パーキンソン剤
 -フェノチアジン系化合物
 -三環系抗うつ剤等
・抗ドパミン作用を有する薬剤
 -ベンザミド系薬剤
メトクロプラミド
スルピリド
チアプリド等
 -ドンペリドン等
 
・タンドスピロン
・ドパミン作動薬
 -レボドパ製剤
 -ブロモクリプチン 等
・薬物代謝酵素(主にCYP3A4)を誘導する薬剤
 -カルバマゼピン
 -リファンピシン等
・CYP3A4を阻害する薬剤
 -イトラコナゾール等
 
・CYP2D6を阻害する薬剤
 -キニジン
 -プロメタジン
 -クロルプロマジン等

【併用禁忌】

・アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
・ボスミン

現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ハロペリドールに関する
よくある質問
他の精神疾患系の薬と併用しても問題ないかどうかは、どのように判別すれば良いでしょうか?

先ず、上の併用禁忌に挙げているお薬は併用に問題があります。また、挙げていないからと言って、必ずしも併用して良い訳ではありません。
安定剤のような脳の神経をしずめる薬といっしょに飲むと、作用が強くなりすぎたり、副作用が強まるおそれがあります。必ず掛かり付けの医師・薬剤師にご相談ください。

ハロペリドールと同じような効果のある、他のお薬があれば、教えてください?

一例として、フルフェナジン、スルピリド、ピモジドなどが挙げられます。ただ、成分の違う別の薬であるため、医師や薬剤師への相談なしでの服用はお止め下さい。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。