グアンファシン塩酸塩

成分名

グアンファシン塩酸塩

適応症状

AD/HD/注意欠陥/多動性障害

簡易説明

注意欠陥・多動性障害(AD・HD)は、発達障害の一つで、学齢期の子供にみられます。集中力・注意力が欠如し、多動性・衝動性があらわれ、学業や集団生活においてに障害となります。年齢とともによくなりますが、成人期にも約半数くらいはなお持続します。グアンファシン塩酸塩は、脳内神経伝達物質の働きを調節します。それにより神経伝達をスムーズにし注意力を高めたり、衝動を落ち着かせる作用があります。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1mg1錠あたりの目安:1mg約405.5円/錠
薬代3mg1錠あたりの目安:1mg約536.2円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

開始年月 : 2017年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

インチュニブ錠1mg/3mg【製薬メーカー:塩野義製薬】

関連製品(ジェネリック)

Intuniv tablet, extended release 1mg2mg3mg4mg(NDA)【製薬メーカー:Takeda Pharmaceuticals America, Inc.】
Guanfacine Hydrochloride tablet 1mg2mg3mg4mg(ANDA)【製薬メーカー:Takeda Pharmaceuticals America, Inc./A-S Medication Solutions/Actavis Pharma, Inc./Amneal Pharmaceuticals LLC/AvKARE/Bryant Ranch Prepack/Golden State Medical Supply, Inc.】
Guanfacine tablet 1mg2mg3mg4mg(ANDA)【製薬メーカー:Major Pharmaceuticals/NORTHSTAR RXLLC/Proficient Rx LP/REMEDYREPACK INC.】

効果・作用

脳内の神経伝達機能を改善し、注意力の散漫や落ち着きがないなどの症状を改善する作用があります。ADHDでは、前頭前皮質の「ノルアドレナリン作動性神経伝達」に調節異常があると考えられており、グアンファシン塩酸塩は、α2A受容体(ノルアドレナリンの神経受容体)を選択的に刺激することにより、神経の伝達を強くさせることが非臨床研究で認められています。これにより「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」と呼ばれています。

▼特徴
コンサータ、ストラテラに続く、国内3番目の「注意欠陥・多動性障害治療薬」です。薬理作用から「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」に分類されます。グアンファシン塩酸塩は、非中枢神経刺激薬で、効力はアトモキセチンと同程度の有効性が示されており、効果発現はアトモキセチンより少し早く、服薬開始後1~2週で効いてきます。

▼薬理作用
ADHDは、脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足したり神経伝達の調節の異常によって、注意力の散漫や衝動的行動などの症状が生じるとされてます。脳内の神経細胞はシナプスを介して神経回路を形成しており、シナプス前終末から神経伝達物質が放出され、神経後シナプスへ情報が伝達されます。放出された神経伝達物質の一部は「再取り込み」といって神経前終末へ回収されます。再取り込みにはトランスポーターという物質などが関係しており、ドパミンやノルアドレナリンの再取り込みを抑制することで、神経伝達物質の働きを強めることが期待できます。

▼ADHD(注意欠如・多動症)とは
「発達障害」のひとつで、衝動性や不注意や落ち着きがないなどの症状が現れる病気です。症状は、「不注意」と「多動・衝動性」に分けられます。「不注意」は、集中力が続かない、忘れっぽい、順序立てて行動できないといった特徴があり、「多動・衝動性」は、じっとしているのが苦手、思いつきで発言や行動するといった特徴があります。

▼他の注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬
コンサータ
ストラテラ
ビバンセ

・医薬品製造元のメーカー発表
・厚生労働省などの役所機関
・論文(大学の記事など)

使用方法

≪18歳未満の患者の場合≫
「体重50kg未満の方」
1日1mgより投与開始してください。1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、次の維持用量まで増量してください。
「体重50kg以上の方」
1日2mgより投与開始してください。1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、次の維持用量まで増量してください。
※症状により適宜増減しますが、以下の最高用量を超えないでください。またいずれも1日1回経口投与してください。
①体重17kg以上25kg未満:開始用量1mg、維持用量1mg、最高用量2mg
②体重25kg以上34kg未満:開始用量1mg、維持用量2mg、最高用量3mg
③体重34kg以上38kg未満:開始用量1mg、維持用量2mg、最高用量4mg
④体重38kg以上42kg未満:開始用量1mg、維持用量3mg、最高用量4mg
⑤体重42kg以上50kg未満:開始用量1mg、維持用量3mg、最高用量5mg
⑥体重50kg以上63kg未満:開始用量2mg、維持用量4mg、最高用量6mg
⑦体重63kg以上75kg未満:開始用量2mg、維持用量5mg、最高用量6mg
⑧体重75kg以上:開始用量2mg、維持用量6mg、最高用量6mg

≪18歳以上の患者の場合≫
1日2mgより投与を開始してください。1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量してください。
※症状により適宜増減しますが、1日用量は6mgを超えないでください。またいずれも1日1回経口投与してください。

≪用法用量の注意≫
①CYP3A4/5阻害剤投与中の方や、重度肝機能障害のある方、重度腎機能障害のある方に投与する場合、1日1mgより投与を開始してください。
②投与を中止する場合、原則として3日間以上の間隔をあけて1mgずつ、血圧または脈拍数を測定するなど状態を観察しながら徐々に減量するしてください。(急な中止で、血圧上昇や頻脈が生じることがあります)

副作用

主な副作用
グアンファシン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
グアンファシン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

傾眠、頭痛、不眠、めまい、口渇、便秘、倦怠感、起立性低血圧、血圧上昇、頻脈、洞性不整脈

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

徐脈、高度低血圧、失神、房室ブロック

その他の副作用
感情不安定、激越、易刺激性、悪夢、鎮静、無力症、腹痛、食欲減退、悪心、下痢、腹部不快感、嘔吐、消化不良、遺尿、体重増加、痙攣、過眠症、頻尿、胸痛、ALT上昇、過敏症、発疹、そう痒、蒼白、高血圧性脳症、QT延長、不安、うつ病、嗜眠、喘息、脱水、勃起不全

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
妊婦/授乳者
過敏症
房室ブロック<第三度>
房室ブロック<第二度>

使用に注意が必要な方
新生児/乳児/幼児/小児
投与開始前に心電図異常
狭心症
虚血性心疾患
起立性低血圧
高血圧
徐脈
心筋梗塞
心血管疾患
低血圧
脳血管障害
脳梗塞
不整脈
先天性QT延長症候群
QT延長を起こすことが知られている薬剤投与中
重度肝機能障害
重度腎機能障害
抑うつ状態
CYP3A4/5阻害剤投与中
血圧を低下させる作用を有する薬剤投与中
投与開始前に心電図異常
脈拍数を減少させる作用を有する薬剤投与中
重度肝機能障害
重度腎機能障害
CYP3A4/5阻害剤投与中

上記にあてはまる方は、グアンファシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
グアンファシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
QTを延長する薬剤/CYP3A4/CYP3A5を阻害する薬剤/イトラコナゾール/リトナビル/クラリスロマイシン/CYP3A4/5誘導剤/ファンピシン類/カルバマゼピン/フェノバルビタール/フェニトイン/中枢抑制剤/催眠・鎮静剤/抗精神病薬/フェノチアジン系薬剤/バルビツール酸誘導体/ベンゾジアゼピン系化合物/エタノール摂取/バルプロ酸/降圧作用を有する薬剤/β-遮断剤/カルシウム拮抗剤/ACE阻害剤/アンジオテンシン2受容体拮抗剤/降圧利尿剤/徐脈等を生じる可能性のある薬剤/ジギタリス剤
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>

上記を使用している方は、グアンファシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
グアンファシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
グアンファシン塩酸塩の副作用で初期症状はどのようなものがありますか?

めまい、倦怠感、息切れ、気絶などがあげられます。

インチュニブ錠1mg

【上記引用元:くすりの適正使用協議会】

5歳でも体重が規定よりも超えてれば使用は可能ですか?

6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していないので注意が必要です。

医薬品インタビューフォーム

【上記引用元:塩野義製薬株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。