ロラゼパム

成分名

ロラゼパム

適応症状

ロラゼパムは①神経症における不安や緊張、抑うつに対して適応があります。また、心身症における自律神経失調症や心臓神経症による身体症候に対し、並びに心身症における不安や緊張、また抑うつに対して適応のある医薬品になります。

簡易説明

ロラゼパムはマイナートランキライザーと呼ばれる「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」になります。
その名の通り、服薬する事で不安や緊張、気分の落ち込みなどの精神状態に効果があります。
また精神的な症状によるストレスで起こる身体的な症状にも効果が見られます。
不安や緊張を取り除く薬は何種類かありますが、ロラゼパムは抗不安作用が比較的強いとされており、またその作用時間長さから中時間作用型に分類されております。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/精神科/心療内科/皮膚科/小児科/産婦人科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:0.5mg約6円/1.0mg約8円
薬代後発薬1錠の目安:0.5mg約5円/1.0mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1997年11月4日製造・輸入承認
1978年3月10日薬価基準収載
1978年3月10日発売

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ワイパックス錠0.5/1.0【製薬メーカー:ファイザー株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ロラゼパム錠0.5mg/1.0mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】
ロラピタ静注2mg【製薬メーカー:ファイザー株式会社】

海外での使用実績

1970年10月22日ベルギーにて国際誕生しました。
2022年3月現在、ファイザー株式会社のロラゼパム錠は、カナダ、オーストリア、スペイン、スイス、ドイツ、ブラジルで承認、発売されております。

効果・作用

ロラゼパムは①神経症における不安・緊張・抑うつに対し効果のある医薬品になります。
また、②心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつに効果のある医薬品になります。

【作用機序】
悪心・嘔吐の作用についてはセロトニン代謝の抑制により作用を現すと考えられております。
主な作用部位は大脳辺縁系や視床下部及び脳幹網様体付近になります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用には主にGABAが関与しております。
GABAは脳の神経と神経の情報を伝える役割のある物質で、神経細胞の活動を抑える働きがあるとされております。
ロラゼパムがGABA-A受容体に結合する事で、Cl-チャネルを開き、神経細胞内にCl-が流入します。
神経細胞は、細胞の中が電気的にプラスになることにより興奮して活発になります。
このためクロルイオンの流入により電気的にマイナスになることで、神経細胞が興奮しにくい状態になります。
その結果ロラゼパムはGABAの働きを強めて神経活動の働きを抑えると考えられております。

【心臓神経症とは】
心臓の機能には異常がないにも関わらず、胸の痛みや動機、息苦しさなど、心臓病のような症状が出る状態を心臓神経症と言います。
心臓神経症はストレスや不安、緊張などによって引き起こされる心因性の病気になります。

【自律神経失調症とは】
不規則な生活習慣やストレスなどにより、自律神経のバランスが乱れるために起こる、様々な身体の不調のことを言います。
バランスが崩れると全身の機能に支障をきたして、さまざまな症状が出ます。
はっきりした内臓や器官の病変によるものではないため、症状の現れ方もとても不安定になります。

使用方法

通常、成人においては医薬品成分名ロラゼパムとして1~3mgを1日のうち2回もしくは3回に分けて経口投与する事とされております。なお、投与する患者の年齢や症状によって適宜増減する事ができます。特に高齢者に対しては少量から開始するなど注意する必要があります。

副作用

重大な副作用
1)依存症(頻度不明)
連用する事で薬物依存を生じる事があるとの報告がございます。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるとの報告もある為投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこととされております。
2)刺激興奮、錯乱(頻度不明)
頻度不明ですが刺激興奮、錯乱等が現れるとの報告がございます。
3)呼吸抑制(類薬)
他のベンゾジアゼピン系化合物で、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれたとの報告がございます。

その他の副作用
1)精神神経系
眠気(3%以上)
ふらつき、眩暈、立ち眩み、頭重、頭痛、不眠(0.1~3%未満)
頭部圧迫感、耳鳴り、歩行失調、複視、霧視、舌のもつれ等(0.1%未満)
2)循環器
動悸(0.1~3%未満)
血圧低下(0.1%未満)
3)肝臓
肝機能異常(頻度不明)
4)消化器
悪心、下痢、便秘、食欲不振、口渇、胃部不快感(0.1~3%未満)
嘔吐、胃部膨満感、上腹部痛、胸焼け等(0.1%未満)
5)過敏症
そう痒感、発疹(0.1%未満)
浮腫・血管性浮腫、呼吸困難 (頻度不明)
6)その他
倦怠感、脱力感(0.1%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)急性閉塞隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある為服用できません。
2)重症筋無力症のある患者
筋弛緩作用により症状が悪化する恐れがある為服用できません。

使用に注意が必要な方
1)心障害のある患者
重症心不全等の心疾患のある患者では、本剤の投与により症状の悪化又は急激な血圧低下を来すことがある為服用に注意が必要になります。
2)肝障害、腎障害のある患者
本剤は肝臓で代謝される薬物である為、肝機能障害を患っている患者においては代謝及び排泄が遅延する事で、作用が強く又は長くあらわれるおそれがある為服用に注意が必要になります。また、本剤は腎臓を介して尿中に排泄されるため、腎機能障害を患っている患者においては薬物の排泄が遅延する事により、作用が強く又は長くあらわれるおそれがあるため服用に注意が必要になります。
3)脳に器質的障害のある患者
脳に器質的障害のある患者では、作用が強くあらわれるおそれがあるため服用に注意が必要になります。
4)乳・幼児
5)高齢者
一般に高齢者では、加齢により生理機能が低下する事が知られており、薬物の代謝や排泄が遅延してしまう事で、作用が強く又は長くあらわれやすい為服用に注意が必要になります。
6)衰弱患者
衰弱患者では、本剤の作用が強くあらわれるおそれがあるため服用に注意が必要になります。
7)中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
本剤の投与により症状が悪化する恐れがある為服用に注意が必要になります。
8)妊婦、産婦、授乳婦等

上記にあてはまる方は、ロラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。
ロラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体・バルビツール酸誘導体等)
モノアミン酸化酵素阻害剤
アルコール(飲酒)
相互に中枢神経抑制作用を増強させる為、眠気、注意力、集中力、反射運動能力等の低下を増強する事があるとの報告がございます。
2)マプロチリン塩酸塩
①相互に中枢神経抑制作用を増強させる為、眠気、注意力、集中力、反射運動能力等の低下を増強する事があるとの報告がございます。
②本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることがあるとの報告がございます。
3)ダントロレンナトリウム水和物
相互に筋弛緩作用を増強する事があるとの報告がございます。
4)プレガバリン
認知機能障害及び粗大運動機能障害に対して本剤が相加的に作用するおそれがあるとの報告がございます。
5)クロザピン
心循環系の副作用が相互に増強される為、循環虚脱を発現する危険性が高まり、重度の循環虚脱から心停止、呼吸停止に至るおそれがあるとの報告がございます。
6)プロベネシド
プロベネシドのグルクロン酸抱合阻害によりロラゼパムの消失半減期が延長する事があるとの報告がございます。
7)バルプロ酸
バルプロ酸のグルクロン酸抱合阻害によりロラゼパムの消失半減期が延長する事があるとの報告がございます。
8)リファンピシン
リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導によりロラゼパムの血中濃度が低下する事があるとの報告がございます。
9)経口避妊ステロイド
経口避妊ステロイドのUDPーグルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によりロラゼパムの血中濃度が低下する事があるとの報告がございます。

上記を使用している方は、ロラゼパムを使用する事が出来ない可能性があります。
ロラゼパムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ロラゼパムに投与制限があるのはなぜか?

ロラゼパムは30日分を限度として投与する事とされております。ロラゼパムは向精神薬に該当し依存性の副作用が認められている為投与には注意を来す必要があるからです。ワイパックス錠0.5/1.0インタビューホーム 【ファイザー株式会社】

ロラゼパムは飲んだらどのくらいで効果が出ますか?

服用後の最高血中濃度は2時間と報告されております。通常であれば服用後薬30分から1時間程度で効果が出てきます。ワイパックス錠0.5/1.0インタビューホーム 【ファイザー株式会社】

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