成分名 |
ドスレピン塩酸塩 |
適応症状 |
うつ病 |
簡易説明 |
ドスレピン塩酸塩はチェコスロバキア(当時)のProtivaによって合成された化学物質のなかからMetysovaらによって発見された成分です。
日本国内では科研製薬株式会社がドスレピン塩酸塩を主成分とする三環系抗うつ薬の開発を1978年に開始し、1985年にカプセル剤として承認を受け、1991年3月に錠剤への剤型変更を行い、1991年3月にプロチアデン錠(以下、本剤)として承認を得ました。
本剤は科研製薬株式会社と日医工株式会社の2社で併売しています。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約440円(10.4円×3錠×14日=436.80円)~約870円(10.4円×6錠×14日=873.6円)
※14日処方で計算していますが、症状などにより処方日数は異なります。
薬代1錠あたりの目安:10.40円
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1991年6月10日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
プロチアデン錠25【製薬メーカー:科研製薬株式会社/日医工株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
本剤は三環系抗うつ薬です。三環系抗うつ薬とは脳内の神経伝達物質の量を変化させる薬剤です。
うつ病の原因は正確にはわかっていませんが、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやセロトニン(カテコールアミンと総称されています)が少なくなることがうつ症状を引き起こしていると考えられています。
脳内ではこの神経伝達物質を遊離したり再取り込みをしたりすることで調整していますが、三環系抗うつ薬はこの再取り込みを阻害する事で神経伝達物質の量を増やす働きをしています。
本剤を使用した国内の臨床試験では同系統の三環系抗うつ薬(アミトリプチリンを主成分とする薬)との比較試験を行い、同等の抗うつ効果が確認できました。
(比較試験を含む、日本国内での臨床試験成績)
中等度以上改善率:54.3%(241/444)、軽度改善を含めた改善率:74.1%(329/444)
(使用成績調査の結果)
うつ病の改善率:69.33%(1,509/2,302)、うつ状態の改善率:62.62%(1,585/2,531)
一方、三環系抗うつ薬には副交感神経を調整するアセチルコリンの働きを弱める作用があります。抗コリン作用といいます。
副交感神経は自律神経の交感神経と対をなす神経で、安静時に働く神経となっています(活動時は交感神経)。
抗コリン作用により、副交感神経の働きが弱まることで、安静時におこる生理現象が抑制されてしまいます。自律神経は全身に広がっているのでこの影響は全身にあらわれてきます。副作用の主な副作用にきさいしてあるものは、この抗コリン作用の影響により引き起こされると言われています。また抗コリン作用がある薬は一般的に緑内障や前立腺肥大症の方に使用できない、もしくは使用に注意が必要とされています。
これ以外にも食欲不振などの消化器症状、血圧低下などの循環器症状、鼻づまりなどの鼻症状などが現れることがあります。 |
使用方法 |
1日75㎎(3錠)~150㎎(6錠)を2~3回に分けて飲みます。
飲む量は症状に合わせて医師が決めます。 |
副作用 |
副作用発現率(検査値異常を含む):14.01%(741例/5290例)
【主な副作用】
のどの渇き:6.31%(334件)、眠気:3.52%(186件)、めまい・ふらつき・立ちくらみ:2.04%(108件)、便秘:1.55%(82例)
【重大な副作用と主な自覚症状】
・悪性症候群:高熱、手足のふるえ、話しづらい、飲み込みにくい、脈が早くなる、等
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:けいれん、意識低下、吐き気、食欲不振、等
(類似薬で報告がある重大な副作用と自覚症状
・無顆粒球症:風邪症状、等
・麻痺性イレウス:吐き気、お腹が張る、便がでにくい、等
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■閉塞隅角緑内障、尿閉(前立腺疾患等)のある方は、症状が悪化することがありますので、服用できません。
■心筋梗塞の回復初期の方は、心臓への悪影響が現れることがあるため、服用できません。
■モノアミン酸化酵素阻害剤(抗うつ薬、抗パーキンソン薬等)を飲んでいる方は、副作用や症状の悪化が現れることがあるため、服用できません。
■ドスレピン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、プロチアデン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
また、三環系抗うつ薬にアレルギーをお持ちの方も服用できません。
▼プロチアデン錠の有効成分
ドスレピン塩酸塩
▼プロチアデン錠の添加物
結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、硬化油、カルメロースナトリウム、精製白糖、ゼラチン、D-ソルビトール、タルク、マクロゴール6000、硫酸カルシウム、黄色5号、赤色106号、カルナウバロウ
使用に注意が必要な方 排尿困難の方、眼圧の高い方:症状が悪化することがあります。
心疾患のある方、甲状腺機能亢進症の方:循環器系に悪影響をおこすことがあります。
痙攣性疾患(てんかん等)の方(以前にかかっていた方も含みます):痙攣をおこすことがあります。
躁うつ病の方:躁症状、自殺願望が強まることがあります。
脳に障害のある方、統合失調症の方:精神症状を悪化させることがあります。
衝動性の高い方:精神症状を悪化させることがあります。
自殺願望のある方:症状を悪化させることがあります。
重篤な肝障害・腎障害のある方:副作用があらわれやすいため。
高齢者:薬の効果や副作用があらわれやすいため
妊婦、産婦、授乳婦の方:動物実験で胎児への悪影響、乳汁への移行が報告されています。
小児:使用経験がなく情報がありません。
※24歳以下の方に使用すると自殺願望が強まるとの報告があります。
※眠気、注意力の低下、反射運動能力の低下などがおこることがあるので、自動車運転等の危険を伴う機械の操作をしないようにしてください。
※不安、興奮、などの躁うつ症状を悪化させることがあります。
上記にあてはまる方は、ドスレピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ドスレピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 アルコール、中枢神経抑制剤(睡眠薬、抗うつ薬等):中枢抑制作用を強めることがあるため。
抗コリン作動薬(胃薬など様々な薬があります):抗コリン作用を強めることがあるため。
アドレナリン作動薬(鼻炎薬など様々な薬があります):心臓への影響が強まることがあるため。
降圧剤:血圧降下作用が弱まることがあるため。
スルファメトキサゾール・トリメトブリム、リファンピシン(抗菌薬)):本剤の作用が弱まることがあるため。
シメチジン(胃薬)、キニジン(不整脈治療薬):本剤の作用が強まることがあるため。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(抗うつ薬):本剤の作用が強まるおそれがあります。
上記を使用している方は、ドスレピン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ドスレピン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 モノアミン酸化酵素阻害剤:副作用や症状の悪化が現れることがあるため。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ドスレピン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ドスレピン塩酸塩(プロチアデン錠25 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA医療用医薬品 情報検索】
プロチアデン錠25 医薬品ガイド 【PMDA 患者向け医薬品ガイド(よくある質問)】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】 |
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