カルバマゼピン

成分名

カルバマゼピン

適応症状

てんかん/双極性障害などのそう状態/三叉神経痛

簡易説明

この薬は中枢神経作用薬に分類されます。
直接脳に作用し、活発になりすぎた脳の働きをしずめるような働きがあります。
代表的なものは以下の通りです。
①てんかん発作の予防薬:脳の働きをしずめることで、てんかん発作を予防します。
②精神疾患での興奮状態をしずめる:脳の神経を落ち着かせることで、気持ちの高揚や緊張、興奮をしずめます。
③三叉神経痛の緩和:三叉神経の働きをしずめる事により、強い痛みが出にくくなります。時に、頭痛に対して処方されることがあります。

処方可能な診療科目

内科/神経内科/脳神経外科/精神科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円前後
薬代1錠あたりの目安:100mg5.9円/200mg8.3円/(細粒50%17.9円/g)
薬代後発薬1錠の目安:100mg5.7円/200mg/5.9円(細粒50%13.4円/g)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
また、それぞれ加入の健康保険の負担額の割合によっても異なります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

先発品:1966年3月販売開始
後発品:1978年6月販売開始

国内のジェネリック認可

あり(てんかん学会の診療ガイドライン2018では、先発薬品にて発作がコントロールされている場合のジェネリック医薬品への切り替えは推奨されていません。)

関連製品(先発薬)

テグレトール錠100mg/テグレトール錠200mg/テグレトール細粒50%【サンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

カルバマゼピン錠100mg/カルバマゼピン錠200mg/カルバマゼピン細粒50%「アメル」【共和薬品】
カルバマゼピン錠100mg/カルバマゼピン錠200mg/カルバマゼピン細粒50%「フジナガ」【第一三共】

海外での使用実績

日本に先立ち、1963年にスイス、イギリスにて抗てんかん薬として発売されました。

効果・作用

カルバマゼピンは、とても長い歴史のある薬です。
主に脳の働きをしずめる作用があり、発作の予防薬としてだけでなく、気分の変調や双極性障害の治療薬や三叉神経痛の緩和などに広く処方されています。
一般に薬は、それぞれの薬の持つ作用から、いくつかの種類に分けられています。
カルバマゼピンはその中で中枢神経作用薬に分類され、脳の働きに直接作用する薬です。
てんかんとは、繰り返される一時的な意識障害とけいれん発作を主症状とする病気です。
わたしたち人間のからだを作っている細胞にはすべて電気的流れがありますが、大脳の神経細胞(ニューロン)も同じように、規則正しいリズムとお互いの調和を保ちながら活動しています。
この活動が突然崩れ、激しく乱れることで、てんかん特有の様々な症状が出ます。(てんかん発作)
てんかんの治療の中心は抗てんかん薬による薬物療法です。
発作について国際分類では、「部分発作」、「全般発作」、「未分類のてんかん発作」の3つに分けていますが、カルバマゼピンはこのうち特に「部分発作」に効果があり、第一選択薬とされています。
てんかん発作の6割は、適切な薬を服用することで、6~7割の患者さんが、発作がおさえられ社会生活を問題なく送ることができると言われています。
その為には薬を正しくしっかりと服用し、血液の中の薬の成分の濃度が一定に保たれる必要があります。飲み始めてもすぐには効果がありませんが、発作がおさまらないからといってすぐに飲むのをやめたり、自己判断で増やしたりするのではなく、決められた用法用量で正しく毎日飲み続けることが大切です。また、しばらくの期間服用し発作がおさまったからといって突然中止してしまうことは、禁断症状のようにてんかん症状を悪化させる原因になりますので、医師の指示のもと少しずつ減量していく必要があります。
精神症状を落ち着かせる目的や、三叉神経痛の緩和目的で処方された場合も同様、正しく継続した服用が必要となります。
症状に合わせた薬の増減は、必ず医師の指示のもとで行うようにしましょう。
※この薬は、グレープフルーツを食べること、アルコールを飲むことで薬の作用が強くなり、副作用が出やすくなる特徴があります。注意してください。

使用方法

①てんかん発作の予防の場合:大人では1日200~400mgを1~2回に分割して内服から始め、効果が得られるまで(通常600mg)徐々に増量し服用します。
症状により1日1200mgまで増量できます。
小児では年齢や症状に合わせて、100~600mgを分割して服用します。
②精神疾患での興奮をおさえる場合:大人のみ①と同様です。小児については記載がありません。
③三叉神経痛の場合:大人では1日800mgを最高とし、症状に合わせて服用します。小児では年齢や症状に応じて適宜減量します。
服用中に血球減少がみられた場合には、薬の服用を中止します。

副作用

主な副作用
代表的な副作用として眠気、めまいやふらつき、吐き気、倦怠感、体が思ったように動かない、頭痛、発疹やかゆみなどが報告されています。
これらは主に服用を始めた時、増量した時に起こりやすい副作用です。
製薬会社による約1600例の副作用調査では、38%ほどで副作用がありました。
眠気(13.8%)、めまい(9.1%)、ふらつき(8.5%)、倦怠感、体が思ったように動かない(3.5%)、発疹(2.9%)、頭痛(2.7%)。
長期に服用を続けることでの副作用として、血液検査での肝臓系酵素の上昇や白血球数の減少も挙げられています。
また、まれではありますが重大な副作用として、重篤な血液障害や重篤な皮膚障害、様々臓器障害などもある為、調子がおかしいと感じた場合は医師へ相談してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■カルバマゼピンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、テグレトールはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼テグレトールの有効成分
カルバマゼピン
▼代表薬の添加物
錠剤:結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
細粒:トウモロコシデンプン、D-マンニトール、ヒプロメロース

・その他使用できない方:三環系抗うつ剤に対し過敏症がある方、重い血液の病気にかかっている方、重度の房室ブロックや徐脈(50回/分)の方、ポルフィリン症の方は、病状を悪化させる可能性があり使用できません。

使用に注意が必要な方
心疾患や軽度の房室ブロックのある方、排尿困難の方、眼圧が高い方、肝臓や腎臓の機能が低下している方、甲状腺機能低下症の方、高齢者は、慎重に使用する必要があります。
妊娠またはその可能性がある女性には、治療上の効果が危険性を上回ると考えられる場合にのみ使用し、他の抗てんかん剤との併用は避けることが望ましいとされています。(授乳中も同様です)

上記にあてはまる方は、カルバマゼピンを使用する事が出来ない可能性があります。
カルバマゼピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
大まかに精神科で処方される薬、他の抗てんかん薬、ホルモン剤、免疫抑制剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、有名な薬ではアセトアミノフェンなど、非常にたくさんの種類の薬との相互作用が認められる為、服用中の薬がある場合には主治医への相談が必要です。

上記を使用している方は、カルバマゼピンを使用する事が出来ない可能性があります。
カルバマゼピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
ブイフェント、アドシルカ、エジュラント、オプスミット、ブリリンタ、グラジナ、エレルサ、ジメンシー、スンベプラ、ジャルカ、エプクルーサ、ビクタルビ

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
薬の効果が思うように得られず、カルバマゼピンが増量になりました。飲み始めてからどのくらいで効果がありますか?

およそ2日です。
カルバマゼピンの半減期は7~15時間であることから、おおよそ2日と考えられます。

てんかん発作の予防として処方されたました。どれくらいの期間飲み続ける必要がありますか?

現在はまだ明確な期間は示されていません。
てんかんの治療の終了時期についての科学的根拠は集まりつつあるようですが、統一的な見解は得られていないです。
治療終了の前段階である薬の減量時期についても同様です。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。