成分名 |
クロカプラミン塩酸塩水和物 |
適応症状 |
統合失調症 |
簡易説明 |
クロカプラミン塩酸塩水和物は田辺三菱製薬株式会社がデフェクトンを改良して開発した抗精神病薬です。
クロフェクトン(以下、本剤)の製品名で販売されており、吉富薬品株式会社がプロモーション提携(コ・プロモーション)しています。
本剤は日本国内で1973年に製造承認を取得し、1974年2月に発売しました。
また1986年には50㎎錠の追加承認を得て、1987年10月に発売されました。
本剤は脳の抗ドパミン作用により統合失調症の症状を改善する薬で、第一世代の抗精神病薬に分類されています。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約290円(68.90×0.3×14日=289.38円)~1,630円(38.70円×3錠×14日=1,625.40円
※14日処方で計算していますが、本剤の投与期間等は症状に合わせて医師が決めます。最低価格は顆粒剤で計算していますが、症状等によっては錠剤を医師が選択する場合もあります(最高価格50㎎錠も同様)。
薬代1錠あたりの目安:10㎎錠 8.70円/25㎎錠 21.10円/50㎎錠 38.70円/10%顆粒 68.90円
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1974年2月8日(50㎎錠 1987年10月27日) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
クロフェクトン錠(10㎎、25㎎、50㎎、顆粒10%)【製薬メーカー:田辺三菱製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | 海外では発売されていません。 |
効果・作用 |
統合失調症の原因は明確にはわかっていませんが、脳内の神経伝達物質の一つであるドパミンの異常が様々な症状を引き起こすとされています(ドパミン仮説)。
本剤はこのドパミンの受容体を遮断することで、統合失調症の様々な症状を改善する薬です。
本剤の臨床試験成績
有効率:35.6%(280例/786例)
一方、脳内の神経伝達物質にはドパミン以外にもノルアドレナリン等の物質があり、本剤を投与するとこれらに悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、ノルアドレナリンは交感神経を司る神経伝達物質です。交感神経は自律神経の一つで活動している時に働きます(脈拍を上げる、排尿を抑えるなど)。逆の働き(安静時に働く神経)は副交感神経といい、交感神経とともに身体の維持をおこなっています。
本剤を飲むことで自律神経系に影響を与えると、錐体外路症状(*)、抗コリン作用(**)などが副作用として現れることがあります。
また、ドパミンを抑えることでプロラクチンという乳汁分泌ホルモンの放出がおこることがありますので、乳汁分泌、月経異常などがおこる可能性もあります。
(*)錐体外路症状:錐体外路を通る神経の異常によって引き起こされる症状。この神経は不随意(意思と無関係に)体を動かす神経が通っているので、手足のふるえや口、舌、眼球などが動いてしまう症状がおこります。
(**)抗コリン作用:副交感神経に働く神経伝達物質、アセチルコリンの働きを抑えることによって引き起こされる症状。のどの渇き、視力障碍、排尿障害などの症状がおこります。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | 予防接種や治療を受ける方は本剤を飲んでいることを必ず医師や薬剤師に伝えてください。 |
使用方法 |
1日30㎎(10㎎錠3錠)~150㎎(50㎎錠3錠*)を3回に分けて飲みます。
*顆粒は300㎎~1,500㎎ |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率:25.72%(1,174例/4,565例)
錐体外路症状:14.57%(665件)、不眠:7.43%(339件)、不安・焦燥感:4.93%(225件)
重大な副作用と主な自覚症状
・悪性症候群:38度以上の発熱、ふるえ、考えがまとまらない、飲み込みにくい、筋肉のこわばり、等
・無顆粒球症、白血球減少:風邪症状、等
・遅発性ジスキネジア:意思に反して体や舌、口が動く、等
・麻痺性イレウス:吐き気、激しい腹痛、食欲不振、等
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:けいれん、頭痛、吐き気、意識の低下、等
・肺塞栓症、深部静脈血栓症:突然の息切れ、胸の痛み、足のむくみ・はれ・青あざ、等
(類似薬(*)の重大な副作用と自覚症状)
・心室頻脈:息切れ、動悸、脈が速くなる、等
・眼障害:見えにくい、かすみ目、視力低下、等
(*)類似薬:ブチフェノン系、フェノチアジン系抗精神病薬
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■昏睡状態、循環虚脱状態の方は、症状を悪化させるおそれがあるため、服用できません。
■バルビツール酸誘導体・麻酔剤の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方は、本剤の作用を増強させるため、服用できません。
■アドレナリンを使用中の方は、重篤な血圧低下がおこることがあるため、服用できません(アナフィラキシーの治療などで使用する場合は除きます)。
■クロカプラミン塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、クロフェクトンはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
また、イミノジベンジル系化合物(抗精神病薬等)にアレルギーをお持ちの方も同様に服用できません。
▼クロフェクトンの有効成分
クロカプラミン塩酸塩水和物
▼クロフェクトンの添加物
(錠剤)
セルロース、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、白糖、マクロゴール6000、ヒプロメロース、酸化チタン、カルナウバロウ
(顆粒)
乳糖水和物、無水ケイ酸、メチルセルロース、エチルセルロース、サッカリンナトリウム水和物
使用に注意が必要な方 心臓や血管に病気のある方、低血圧の方(疑いのある方も含みます):一過性の血圧低下がおこることがあるため。
肝障害のある方:肝障害を悪化させるおそれがあるため。
血液障害のある方:血液障害を悪化させるおそれがあるため。
痙攣性疾患(てんかん等)の方(過去に患った方も含みます):てんかん発作がおこりやすくなる可能性があるため。
甲状腺機能亢進症の方:錐体外路症状がおこりやすいため。
高齢者:錐体外路症状がおこりやすいため。
小児:錐体外路症状(特にジスキネジア)がおこりやすいため。
薬物過敏症の方
身体的疲弊(脱水、栄養不良状態等)の方:悪性症候群がおこりやすいため。
※眠気、注意力低下、反射運動能力の低下などがおこることがあるため、自動車運転等の危険を伴う機械の操作を行わないでください。
※吐き気止めの作用があるため、吐き気をおこす病気(中毒症状、腸閉塞、脳腫瘍など)による吐き気を隠してしまう可能性がありますので、注意してください。
※血栓症の危険因子(動かない、長時間寝ている、肥満、脱水等)のある方は肺塞栓症や静脈血栓症の副作用に注意してください。
上記にあてはまる方は、クロカプラミン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 クロカプラミン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 中枢神経抑制薬(バルビツール酸誘導体・麻酔薬)、アルコール:両方の作用が強く現れることがあるため。
ドンペリドン、メトクロプラミド(吐き気止め):副作用(錐体外路症状等)がおこるおそれがあるため。
リチウム(気分安定薬):重篤な副作用(ジスキネジア、悪性症候群等)がおこるおそれがあるため。
ドパミン作動薬(レボドバ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩:抗パーキンソン薬):両方の作用が強く現れることがあるため。
上記を使用している方は、クロカプラミン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 クロカプラミン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 アドレナリン(アナフィラキシーなどの治療で使用する場合は除きます):重篤な血圧低下がおこることがあるため。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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