成分名 |
ブロムペリドール |
適応症状 |
統合失調症 |
簡易説明 |
ブロムペリドールはドパミンD2受容体を遮断する薬です。
ブチフェノン系の抗精神病薬と呼ばれています。
統合失調症は脳内の神経伝達物質であるドパミンの過剰により様々な症状がおこるとの仮説があり、その治療薬はドパミンを中心とした神経伝達物質を変化させる薬剤が用いられています。
ブロムペリドール製剤(以下、本剤)は先発品が現在は販売されていないため、後発品のみが使用されている。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約110円(3㎎1錠 8.00円×14日)~約1,300円(6㎎1錠 15.50×1日6錠×14日)
※14日処方で計算していますが、症状等により処方日数は異なります。
薬代1錠あたりの目安:先発品なし
薬代後発品1錠あたりの目安:1㎎錠 5.70円/3㎎錠 8.00円/6㎎錠 15.50円/1%細粒 29.50円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1993年4月21日(ルナブロン、現、ブロムペリドール「アメル」の発売日)
※先発薬の発売年月日は不明 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
現在先発医薬品の製造はありません。 |
関連製品(ジェネリック) |
ブロムペリドール錠「アメル」(1㎎、3㎎、6㎎)、細粒1%【製薬メーカー:共和薬品工業株式会社】
ブロムペリドール錠「サワイ」(1㎎、3㎎、6㎎)、細粒1%【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】 |
効果・作用 |
統合失調症は陽性症状と呼ばれる、健康時には現れなかった症状(妄想、幻覚など)と陰性症状と呼ばれる、健康時にあったものが失われる症状(無感情、思考の低下など)があらわれる病気です。
その原因は正確にはわかっていませんが、脳内の神経伝達物質の異常により、その症状が現れると考えられています。
本剤は脳内の神経伝達物質の一つであるドパミンが受容体に結合することを阻害しすることで、ドパミンに対する過剰反応を抑える目的で使用されています。
この抗ドパミン作用は陽性症状に対して効果があると考えられています。
脳内の神経伝達物質であるドパミンはカテコールアミンと呼ばれる物質です。
このカテコールアミンには自律神経(交感神経、副交感神経)の働きを調節しているノルアドレナリンやアセチルコリンといった神経伝達物質も含まれています。
ドパミンはこれらの働きを調整する働きをしているので、本剤を使用することで、自律神経の働きを弱めるおそれがあります。
特に、アセチルコリンの働きを弱める働きを抗コリン作用と呼びます。
抗コリン作用とが生じると、のどの渇き、視覚異常、眠気、排尿障害などがおこります。
これらの症状は本剤の副作用として現れることがあるので注意が必要です。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | 本剤には併用に注意すべき薬などがありますので、予防接種や感染症治療を受ける時には本剤を飲んでいることを医師や薬剤師に伝えてください。 |
使用方法 |
1日3㎎~18㎎を飲みます。最大量は1日36㎎までです。
錠剤は1㎎、3㎎、6㎎があります。
細粒100㎎に1㎎のブロムペリドールが含まれていますので、3㎎は細粒300㎎となります。 |
副作用 |
本剤は副作用の発現率が明確になる調査を実施していません。
【重大な副作用と初期症状】
・悪性症候群:高熱、手足のふるえ、身体のこだわり、話ずらい、頻脈等
・遅発性ジスキネジア:意思と無関係に舌が動く、口や体が動く
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群:けいれん、意識障害、吐き気等
・麻痺性イレウス:便秘、嘔吐、お腹の張り糖
・横紋筋融解症:筋肉中、尿が赤くなる、手足のしびれ等
・無顆粒球症、白血球減少:風邪症状等
・肺塞栓、深部静脈血栓症:胸の痛み、足のむくみ・痛み等
・寝室頻拍(類薬:ハロベリドールで報告されています。):めまい、動悸等
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■昏睡状態の方は、症状を悪化させるおそれがあるため、服用できません。
■バルビツール酸誘導体(睡眠薬、抗うつ薬等)の強い影響下にある方は、中枢神経抑制作用が増強されるため、服用できません。
■重症の心不全の方は、心筋への悪影響や血圧低下のおそれがあるため、服用できません。
パーキンソン病の方やレビー小体型認知症は運動機能障害等が悪化するおそれがあるため、服用できません。
アドレナリンを投与中の方は、重大な血圧低下がおこることがあるので、服用できません(アナフィラキシー等に対する緊急使用の場合は除きます)。
■ブロムペリドールを配合した医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ブロムペリドール製剤はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ブロムペリドール「アメル」の有効成分
ブロムペリドール
▼ブロムペリドール「アメル」の添加物(ブロムペリドール「サワイ」とは一部添加物が異なります。
(各規格共通の添加物)
乳糖水和物
(錠剤共通の添加物)
トウモロコシデンプン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム
(1㎎錠のみ含有されている添加物)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
(3㎎錠、6㎎錠のみ含有されている添加物)
タルク、軽質無水ケイ酸
(細粒のみ含有されている添加物)
ヒドロキシプロピルセルロース
■ブチロフェノン系化合物(吐き気止め薬、麻酔薬、抗精神病薬等)に対しアレルギー反応を起こしてをお持ちの方
ブチフェノン系化合物には多くの薬剤がありますので、薬剤等でアレルギーをお持ちの方は医師や薬剤師に伝えてください。
使用に注意が必要な方 肝障害のある方:本剤の作用が強くあらわれるおそれがあるため
心・血管疾患、低血圧の方(疑いのある方を含む):血圧低下があらわれることがあるため
心電図に異常(QT延長)のある方:心臓機能に悪影響を及ぼすおそれがあるため
てんかんなどの痙攣性疾患の方(以前かかっていた方を含む):痙攣性疾患をおこしやすくなるため
甲状腺機能亢進症の方、高齢者、小児:運動機能障害等の副作用がおこりやすいため。高齢者は少量から開始します。小児は運動神経障害のうち、ジスキネジアがおこりやすいと報告されています。
妊婦、授乳婦:動物実験で胎児への悪影響や乳汁への移行が報告されています。
薬剤過敏症の患者
脱水・栄養状態不良などの方:悪性症候群がおこりやすいため
高温環境下にある方:体温が上昇しやすいため
※
・眠気、集中力低下、反射能力の低下などがおこることがあるので、自動車運転等の危険を伴う機械の操作を行わないようにしてください。
・吐き気を抑える効果があるため、他の病気等による吐き気を隠してしまうおそれがあるので注意してください。
・抗精神病薬で血栓症等が報告されているので、動かない状態、入院等で長期間寝ている方、肥満の方、脱水の方は注意してください。
上記にあてはまる方は、ブロムペリドールを使用する事が出来ない可能性があります。 ブロムペリドールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 中枢神経抑制(バルビツール酸誘導体等の睡眠薬:抗うつ薬):中枢神経抑制作用が増強するおそれがあります。
アルコール:中枢神経抑制抑制作用が増強するおそれがあります。
リチウム(躁病治療薬):作用が増強する恐れがあります。
抗コリン作用を持つ薬(抗うつ薬、抗パーキンソン薬等):抗コリン作用が強くあらわれるおそれがあります。(のどの渇き、眠気、視覚障害等の副作用がおこりやすくなります)
ドパミン作動薬(レボドバ、クロモクリプチンメシル等の抗パーキンソン薬等):効果が減弱するおそれがあります。
薬物代謝酵素誘導作用を有する薬剤:本剤の効果が弱まるおそれがありますので、CYP3A4を誘導する薬の併用には注意が必要です。治療を受ける時には飲んでいる薬を医師や薬剤師に伝えてください。
イトラコナゾール(抗真菌薬):本剤の作用が強くあらわれるおそれがあります。
上記を使用している方は、ブロムペリドールを使用する事が出来ない可能性があります。 ブロムペリドールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 アドレナリン:重篤な血圧低下をおこすことがあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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