成分名 |
クロラゼプ酸二カリウム |
適応症状 |
不安、緊張など |
簡易説明 |
メンドンカプセル7.5㎎(以下、本剤)はクロラセプ酸二カリウムを主成分とするベンゾジアゼピン系抗不安薬です。マイナートランキライザーとも呼ばれます。同種の薬剤の中では比較的鎮静効果の弱い薬として位置づけられています。
クロラセプ酸二カリウムは1964年にフランスで合成され、1969年1月にTranxeneとして発売されました。日本国内では1979年、今から40年以上前に発売された薬剤です。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/心療内科/内科など |
健康保険の適応 |
神経症にける不安・緊張・焦燥・抑うつ |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約300円~600円(10.10円×2~4カプセル×14日(*)=約300~600円)
本剤は14日分投与が限度とされています。
薬代1錠あたりの目安:10.10円
薬代後発品1錠あたりの目安:後発品はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・再診料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1979年10月3日(販売名変更のため、本剤の発売日は2009年6月26日) |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
メンドンカプセル7.5㎎【製薬メーカー:マイランEPD合同会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
海外での使用実績 | アメリカ
Clorazepate(Able社、Mylan社、Taro社、等)、Tranxene(Lundbeck社)という2製品が販売されています。Clorazepateは1972年にFDAで承認されました。
フランス
Tranxene(Sanofi-Aventis France社)、Noctiran(Menarini France社)という2製品が販売されています。Tranxeneは1969年に承認されました。 |
効果・作用 |
本剤は脳が興奮している状態を鎮める働きを持っています。脳内ではGABA(γ‐アミノ酪酸)と呼ばれる神経伝達物質が興奮を鎮める働きをもっています。GABAはベンゾジアゼピン受容体と結合することで、脳内の興奮を抑える働きをします。本剤はこのベンゾジアゼピン受容体と結合することで、GABAと同様の働きをし脳の興奮を抑える働きをします。このためベンゾジアゼピン受容体作動薬とも呼ばれています。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬はこのほかに、眠くなる働きや筋肉を弛緩する働き、副交感神経を抑える働き(抗コリン作用)などがあります。
本剤を含むベンゾジアゼピン受容体作動薬は「短時間作用型」「中時間作用型」「長時間作用型」「超長時間作用型」に分類されていますが、本剤は「長時間作用型」に分類されています。
本剤を含むベンゾジアゼピン受容体作動薬は長く投与することで、薬物依存が現れることがあります。耐性(薬が効きにくくなるといった症状)が現れることがあり、薬の量が増えることもありますが、必ず医師の指示通りに服用してください。
また、離脱症状と呼ばれる、減薬や投与中止をした時におこる不快な症状が現れることもあります。薬物依存・耐性などの問題があり必要最低限の処方にとどめる必要があり、また、症状を見ながら徐々に減らしていかなければならないため、薬をやめる時も必ず医師の指示通りに服用してください。
薬物依存の危険因子には長期投与や多剤併用があると考えれています。国内の大規模診療報酬データを用いた研究では、12.0%から15.2%の患者が1年以上にわたって継続処方がされていたことがわかっています。また、精神科や心療内科では20.7%~28.5%が抗不安薬を多剤併用していたことがわかりました(それ以外の診療科では11.9%~13.8%)。
これらの背景から抗不安薬は14日投与が限度とされています。また併用薬剤に関しても3剤以上投与することは制限されています。
【国内で行われた臨床試験】
ジアゼパム(同種の抗不安薬)との比較試験で比較薬と同等の有効性、安全性が確認され、ブラセボ(偽薬)を対象とした比較試験で有効性に有意差が認められました。
有効率:不安 84%(261/310)、緊張 82%(168/205)、焦燥 79%(200/252)、抑うつ 77%(152/198) |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | ワクチン接種を受ける方は、本剤を飲んでいることを伝えてください。 |
使用方法 |
1日2~4カプセルを1日2〜4回に分けて、水またはぬるま湯で飲んでください。
2回分を1度に飲んではいけません。医師・薬剤師に指示された通りに飲んでください。
飲み忘れた時は気が付いたときに1回分を飲んでください。次の飲む時間が近い場合は1回飛ばしてください。 |
副作用 |
主な副作用
眠気、めまい・ふらつき、疲れやすさ・脱力感・倦怠感など。
重大な副作用
薬物依存、刺激興奮・錯乱。
刺激興奮・錯乱の主な自覚症状
刺激興奮:口数が多くなる、大声で叫ぶ、周囲に暴力をふるう、器物を破壊する、些細なことで怒る
錯乱:注意力が散漫になる、問いかけに間違った答えをする、行動にまとまりがない
発生頻度:服作用発現率:7.0%
精神神経系の症状:眠気(4.0%)、めまい・ふらつき(1.7%)
筋肉の副作用:疲れやすさ・脱力感・倦怠感(1.2%)
薬物依存を避けるため治療上必要な投与期間までしか処方されません。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 急性閉塞隅角緑内障の方(抗コリン作用により症状を悪化させるおそれがあります。)
重症筋無力症の方(抗コリン作用および筋弛緩作用により症状を悪化させる恐れがあります。)
眠気や集中力・反射神経等の低下がおこるおそれがありますので、自動車運転等の危険を伴う機械の操作は行わないでください。
アルコール飲料はこの薬の効果や副作用に影響を与える可能性がありますので、控えてください。
別の病気などで診察を受ける時や、薬局等で薬を買うときなどには、本剤を飲んでいることを医師・薬剤師等に伝えてください。
使用に注意が必要な方 心臓に病気がある方、肺などの呼吸器に病気がある方(症状を悪化させるおそれがあります。)
肝臓や腎臓に病気のある方、脳に病気がある方・衰弱している方(薬が効きすぎるおそれがあります。)
高齢者(運動機能障害の副作用がおこりやすいため。)
妊産婦・授乳婦(胎児や乳児に本剤が移行するとの報告があります。)
小児の安全性はわかっていません。特に乳・幼児で薬が効きすぎるおそれがあります。)
上記にあてはまる方は、クロラゼプ酸二カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 クロラゼプ酸二カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 リトナビル(HIV治療薬):本剤が効きすぎるおそれがあります。
上記を使用している方は、クロラゼプ酸二カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 クロラゼプ酸二カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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