成分名 |
ロフェプラミン塩酸塩 |
適応症状 |
うつ病・うつ状態 |
簡易説明 |
セロトニンやノルアドレナリンなどの神経物質の不足によって引き起こされるうつ病やうつ状態に対し、ロフェプラミン塩酸塩を有効成分として外的要因でこれらの神経物質を増やす薬です。
効果も速やかにあらわれ、外来診療や高齢者に対しても使用しやすい薬になっています。
病状別にみると、抑うつ気分・動作や行動緩慢・意欲減退・思考抑制・食欲減退・倦怠感・頭痛や頭重に優れた効果を示します。 |
処方可能な診療科目 |
精神科/心療内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:
アンプリット錠10mg/5.9円(第一三共)
アンプリット錠25mg/14円(第一三共)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1981年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリックはありません。 |
関連製品(先発薬) |
アンプリット錠10mg(第一三共)
アンプリット錠25mg(第一三共) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリックはありません。 |
効果・作用 |
うつ病やうつ状態が引き起こされるのは、脳内の神経物質であるセロトニンやノルアドレナリンの不足によるものだと考えられています。
自発的にまたは意図的にそれらの放出を増やすのは不可能に近いので、外的要因をもって不足を取り除いてあげる必要があります。
アンプリットという薬は、ロフェプラミン塩酸塩を有効成分として、これらの神経物質を増やし、緊張や不安を取り除いて気持ちを落ち着かせてくれる働きがあります。
効果発揮が速やかであり、抑うつ気分・行動の抑制・意欲減退などに優れた効果を示します。
外来治療や高齢者でも使用しやすいのが特徴です。鎮静作用・睡眠増強作用・筋弛緩作用・運動失調作用は大きく欠き、痙攣助長作用は認められていません。
本剤を含む抗うつ剤の処方に際して、24歳以下の服用では自殺念慮や自殺企図のリスク増加があるとの報告が挙がっています。
このため処方の際には、効果とリスクを十分に思慮したうえで処方し、患者もそれに同意したうえで服用する必要があります。
臨床効果では、病型別にみると内因性うつ病、反応性うつ病、退行期うつ病に、症状別では抑うつ気分、動作・行動緩慢、意欲減退、思考抑制、食欲減退、倦怠感、頭痛・頭重に効果を示したとされています。
作用を示す場所は主に脳内の視床下部・大脳辺縁系で、それらの部位におけるシナプス前末端へのモノアミンの取り込みを抑制することによって効果を示しているとされています。
モノアミンとは、セロトニンやノルアドレナリン、アドレナリンなどの神経伝達物質または神経修飾物質の総称です。
うつ病が起こる機序としては記載した神経物質の不足説と、受容体受容性仮説があります。
アドレナリンβ受容体あるいはセロトニン受容体(5-HT₂)の結合部位が減少するのに要する時間は、臨床的な抗うつ効果の発現に至るまでの時間と類似することが報告されその結果、うつ病の発病前はこれら受容体の感受性(結合部位数と考えることができる)が亢進しており、代償的に前シナプスからのモノアミンの遊離が抑えられています。
ところが、ストレスが付加されると代償機構が破たんしてモノアミンの遊離が起こり、その結果うつ病が発症するという説です。
どちらも考えられる要因ではありますが、脳内の物質の動きをみることは現代科学では不可能です。
それに対して本剤は、前者の説を有効として作られている薬です。 |
使用方法 |
ロフェプラミンとして、通常成人初期用量1回10〜25mg(錠10mg/25mg:1錠)を1日2〜3回経口投与し、1日150mg(錠10mg:15錠、25mg:6錠)まで漸増します。
なお、年齢、症状により適宜減量します。 |
副作用 |
主な副作用
口渇・抗コリン作用・便秘・眠気・不眠・ふらつき・動悸・血圧低下・パーキンソン様症状・めまい・振戦
重大な副作用
食欲不振・悪心・Syndrome malin・悪性症候群・無動緘黙・強度筋強剛・嚥下困難・頻脈・血圧変動・発汗・発熱・白血球増加・血清CK上昇・血清CPK上昇・ミオグロビン尿・腎機能低下・高熱が持続・意識障害・呼吸困難・循環虚脱・脱水症状・急性腎障害・麻痺性イレウス・腸管麻痺・嘔吐・著しい便秘・腹部膨満・腹部弛緩・腸内容物うっ滞・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群・SIADH・低ナトリウム血症・低浸透圧血症・尿中ナトリウム排泄量増加・高張尿・痙攣
その他の副作用
倦怠感・頭痛・頭重・焦燥・興奮・知覚異常・身体異常感・しびれ感・排尿困難・尿閉・視調節障害・鼻閉・過敏症・発疹・AST上昇・ALT上昇・Al-P上昇・胃部不快感・運動失調・口周囲不随運動・構音障害・譫妄・病的体験・黄疸・下痢・腹痛・口内苦味感・熱感・浮腫など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ロフェプラミン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アンプリット錠10mg/25mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アンプリット錠10mg/25mgの有効成分
ロフェプラミン塩酸塩10.87mg(ロフェプラミンとして10mg)/ロフェプラミン塩酸塩27.18mg(ロフェプラミンとして25mg)
▼アンプリット錠10mg/25mgの添加物
乳糖水和物、カルメロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、カルナウバロウ
■他に使用できない方
・閉塞隅角緑内障の方
・三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある方
・心筋梗塞の回復初期の方
・モノアミン酸化酵素阻害剤を服用中の方
使用に注意が必要な方 ・開放隅角緑内障の方
・排尿困難または眼内圧亢進等のある方
・心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)、等の心疾患のある方または甲状腺機能亢進症の方
・てんかん等の痙攣性疾患またはその既往歴のある方
・躁うつ病の方
・脳の器質的障害または統合失調症の素因のある方
・衝動性が高い併存障害を有する方
・自殺念慮または自殺企図の既往のある方、自殺念慮のある方
・重篤な肝障害、腎障害のある方
・低血圧の方
・高度の慢性便秘のある方
・高齢者
・小児等
上記にあてはまる方は、ロフェプラミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ロフェプラミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗コリン作動薬
・アドレナリン作動薬/アドレナリン等
・中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)
・フェノチアジン系抗精神病薬
・降圧剤(グアネチジン、ベタニジン等)
・全身麻酔剤、抗不安剤、アルコール
・キニジン、メチルフェニデート、黄体・卵胞ホルモン製剤、シメチジン
・肝代謝酵素誘導作用を持つ薬剤(バルビツール酸誘導体、リファンピシン等)
・フェニトイン
・スルファメトキサゾール・トリメトプリム
上記を使用している方は、ロフェプラミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ロフェプラミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・モノアミン酸化酵素阻害剤
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
アンプリット【添付文書情報】
アンプリット錠10mg【基本情報】 |
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