クロキサゾラム

成分名

クロキサゾラム

適応症状

神経症と心身症、手術前の不安に適応があります。

簡易説明

脳の興奮などを抑えることで不安・緊張・不眠などを改善してくれる、ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。更年期障害、循環器疾患、消化器疾患、自律神経失調症、神経症、心身症の身体症候・緊張・不安・抑うつ、術前の不安除去などに用いられます。持続時間は長時間型で、血中半減期は約30時間です。脳にあるGABAA受容体に結合することにより、抑制性の内因性リガンドであるGABAの作用を増強し、神経の興奮性を低下させ、扁桃核・視床下部・灰白質などの部位に作用することで、精神活動を鎮静したり抑うつ感を改善したりするとされています。
連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあります。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されています。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬です。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000~2,000円
薬代の目安:セパゾン錠2(2mg1錠)/5.8円
診察料は病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1974年1月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリックはありません。

関連製品(先発薬)

セパゾン錠1/セパゾン錠2/セパゾン散1%

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリックはありません。

海外での使用実績

海外への持ち込みは可能ですが、上限量は360mgです。
ただし自分の治療目的のみとなりますので、家族や友人経由での持ち込みはできません。
また本人が携帯することが条件ですので、郵送も不可となります。

効果・作用

セパゾンは古くからある抗不安薬で、高い効果の割に副作用は少ないとされています。
薬品会社の研究では、最高血中濃度到達時間が3時間、半減期が16時間と報告されています。
即効性が期待でき、作用時間も比較的長く、服用して15~30分ほどで効果があらわれます。
このため、不安が強いときの頓服としても有効ですし、また毎日服用して不安を和らげていくこともあります。服用を続けて不安になりにくい土台を作ることも可能な薬です。
効果の中では、活性代謝産物が重要な役割をしています。セパゾンは体内で分解されると、さまざまな物質に変化していきますが、これらのうち薬理作用があるものを活性代謝産物といいます。セパゾンには活性代謝産物がたくさんあり、そのうち効果が強いCND(クロロ-N-ジメチルジアゼパム)は、1時間ほどでピークに達して、4.4時間で半分になります。活性代謝産物の中には、とても身体に残りやすいものもあるので、即効性もあって作用時間が長い抗不安薬として、「長時間型」に分類されています。
毎日常用していると、薬が体の中に少しずつたまっていき、およそ半減期の5倍経つと安定した状態(定常状態)になるといわれています。これを時間として表すと16時間×5倍で80時間すると安定し始め、3~4日間で不安になりにくい土台ができます。
効果の持続時間は個人差があり、薬が効きやすい方と効きにくい方がいます。セパゾンの効果時間は、およそ6~12時間といったところになります。
使い方としては
①不安が強い時だけセパゾンを頓服
②作用時間の長い抗不安薬+セパゾン頓服
③セパゾンを常用
上記のように使用していきます。セパゾンは依存性も認められる薬のため、できるだけ常用しないようにしていくことが必要です。頓服で使っている場合は、依存することはありません。

使用方法

通常人は1日3~12mgを3回に分けて経口投与します。
術前の不安除去の場合は、0.1~0.2mg/kgを手術前に経口投与します。
なお、年齢・症状に応じ適宜増減します。

副作用

主な副作用
眠気・ふらつき・倦怠感・口渇・めまい・悪心・嘔吐・脱力感・舌のもつれ・運動失調・頭痛

重大な副作用
刺激興奮・薬物依存・けいれん発作・せん妄・振戦・不眠・不安・幻覚・妄想・離脱症状

日本では2017年3月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加され、厚生労働省よりこのことの周知徹底のため関係機関に通達がなされました。奇異反応に関して、錯乱や興奮が生じる旨が記載されています。医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避ける、用量順守と類似薬の重複の確認、また慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されています。

その他の副作用
頭重・性欲減退・立ちくらみ・焦燥感・食欲不振・便秘・胃部不快感・見当識障害・視覚異常・多弁・嗜眠状態・AST上昇・ALT上昇・低血圧・動悸・下痢・腹痛・過敏症・発疹・そう痒感・頻尿・尿失禁・意欲減退

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤に対し過敏症の既往歴のある方
・急性閉塞隅角緑内障の方(抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあります)
・重症筋無力症の方(筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがあります。)

使用に注意が必要な方
・心障害のある方
・肝障害・腎障害のある方
・脳に器質的障害のある方
・新生児や幼児・小児
・高齢者
・衰弱者
・中等度または重篤な呼吸不全のある方

上記にあてはまる方は、クロキサゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロキサゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等(クロルプロマジン、フェノバルタール等)、アルコール、MAO阻害剤)

上記を使用している方は、クロキサゾラムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロキサゾラムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
運転や機械の操縦は行ってもよいですか?

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下がおこることがあるので、そういったことには従事しないよう本人も気を付けるとともに、周りの人も従事させないように注意が必要です。

妊婦・産婦・授乳婦への投与は可能ですか?

妊婦<3カ月以内>又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します[妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告があるため]。
妊娠後期の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もあります(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されています)]。
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状が現れることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されています。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせることが必要です[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸増強する可能性があります]。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。