パロキセチン

成分名

パロキセチン

適応症状

うつ病、うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害、月経前気分不快症(PMDD)、その他さまざまな不安障害

簡易説明

パロキセチンは、イギリスのグラクソ・スミスクラインで開発された、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤です。
主に商品名パキシル(Paxil)として、世に知られています。

セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一種で、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。
セロトニンが不足すると、脳の機能低下が起きたり、心のバランスを保つことが難しくなります。
パロキセチンは、そんなセロトニンの働きを高める作用が期待できるため、うつ病をはじめとした不安を感じてしまう障害全般に広く使われます。
発売当初、「うつは心の風邪」のキャッチコピーとともに広告が打たれて広まったため、いまだに世で一番多く処方されている抗うつ剤でもあります。

他のSSRIと比べると薬の切れ味が良い代りに、中断症状群が生じやすく、薬がなかなか止めづらい特徴があります。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~約3000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約20円~約70円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2000年11月販売開始

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

パキシル錠5mg・10mg・20mg(グラクソ・スミスクライン)

関連製品(ジェネリック)

パロキセチン錠5mg・10mg・20mg・40mg

効果・作用

この薬は、飲みはじめて直ぐに効果は現れませんが、毎日飲み続けると、脳内に作用し、脳内の神経伝達物質をつかさどるセロトニンの働きを増強させ、脳内の神経伝達をスムーズにし、抑うつ気分や不安・緊張を和らげます。
他にも、やる気が出ない(無気力・意欲の低下)・悲観的になる・憂鬱・眠れない・集中できないなどといった気分が晴れずに落ち込む症状を改善し、気持ちが前向きになることを助けます。

セロトニンは、気分にかかわる神経伝達物質です。このお薬は、セロトニンを再取り込みするセロトニントランスポーターの働きを阻害します。これにより、脳内シナプス間隙のセロトニン濃度が高まり、神経の伝達がよくなります。結果として、うつ状態が改善され、気分が楽になると考えられます。セロトニントランスポーターにだけ結合し、その他の受容体にはほとんど作用しないので、抗うつ薬特有の副作用も少ないです。
こういった作用特性は、「選択的セロトニン再取込阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)」と呼ばれ、SSRIと略称されています。

また、ノルアドレナリンの効果もわずかながらあるため、薬が少量でも血中濃度が立ち上がりやすく、作用時間が長くなります。それが切れ味の良さにつながっていて、効果の実感が得られやすい薬です。

自己判断して使用を中止したり、量を減らしたりすると、めまい・汗をかく・吐き気などの症状が現れることがあります。指示どおりに飲み続けることが重要です。
飲み忘れた場合でも、決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、できるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分をお飲みください。

使用方法

病状別の用法・容量は以下の通りです。
●うつ病・うつ状態:
1日1回20~40mg,夕食後経口投与。1回10~20mgより開始,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量。症状により1日40mgまでの範囲で適宜増減。
●パニック障害:
1日1回30mg,夕食後経口投与。1回10mgより開始,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量。症状により1日30mgまでの範囲で適宜増減。
●強迫性障害:
1日1回40mg,夕食後経口投与。1回20mgより開始,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量。症状により1日50mgまでの範囲で適宜増減。
●社会不安障害:
1日1回20mg,夕食後経口投与。1回10mgより開始,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量。症状により1日40mgまでの範囲で適宜増減。
●外傷後ストレス障害:
1日1回20mg,夕食後経口投与。1回10~20mgより開始,原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量。症状により1日40mgまでの範囲で適宜増減。

副作用

【重大な副作用】
1.セロトニン症候群(0.04%):不安、焦燥、興奮、錯乱、幻覚、反射亢進、ミオクロヌス、発汗、戦慄、頻脈、振戦等が現れる恐れがあり、セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意し、異常が認められた場合には、投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
2.悪性症候群(0.03%):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合があり、抗精神病剤との併用時に現れることが多いため、特に注意し、異常が認められた場合には、抗精神病剤及び本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う(本症発現時には、白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)。
3.錯乱、幻覚、譫妄、痙攣(0.10%):錯乱、幻覚、譫妄、痙攣が現れることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止する等適切な処置を行う。
4.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
5.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.01%):主に高齢者において、低ナトリウム血症、痙攣等が現れることが報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。
6.重篤な肝機能障害(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満):肝不全、肝壊死、肝炎、黄疸等が現れることがあるので、必要に応じて肝機能検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行う。
7.横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症が現れることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。
8.汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(0.46%):汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少が現れることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
9.アナフィラキシー(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満):アナフィラキシー(発疹、血管浮腫、呼吸困難等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

【その他の副作用】
1.全身症状:(1%~10%未満)倦怠(倦怠感)、(1%未満)ほてり、無力症、疲労、発熱、悪寒。
2.精神神経系:(1%~10%未満)傾眠、眩暈、頭痛、不眠、(1%未満)振戦、神経過敏、知覚減退、躁病反応、感情鈍麻、錐体外路障害、あくび、*アカシジア[*:内的な落ち着きのなさ、静座困難/起立困難等の精神運動性激越であり、苦痛が伴うことが多く、治療開始後数週間以内に発現しやすい]、味覚異常、異常な夢(悪夢を含む)、激越、健忘、失神、緊張亢進、離人症、レストレスレッグス症候群。
3.消化器:(1%~10%未満)嘔気、便秘、食欲不振、腹痛、口渇、嘔吐、下痢、(1%未満)消化不良。
4.循環器:(1%未満)心悸亢進、一過性血圧上昇又は一過性血圧低下、起立性低血圧、頻脈。
5.過敏症:(1%未満)発疹、そう痒、蕁麻疹、血管浮腫、紅斑性発疹、光線過敏症。
6.血液:(1%未満)白血球増多、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値増加又はヘマトクリット値減少、赤血球減少、異常出血(皮下溢血、紫斑、胃腸出血等)。
7.肝臓:(1%~10%未満)肝機能検査値異常(ALT上昇(GPT上昇)、AST上昇(GOT上昇)、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇、ウロビリノーゲン陽性等)。
8.腎臓・泌尿器:(1%未満)BUN上昇、尿沈渣<赤血球・白血球>、尿蛋白、排尿困難、尿閉、尿失禁。
9.眼:(1%未満)霧視、視力異常、散瞳、(頻度不明)*急性緑内障[*:海外での頻度:0.01%未満]。
10.その他:(1%~10%未満)性機能異常(射精遅延、勃起障害等)[強迫性障害患者を対象とした本邦での臨床試験において95例中6例(6.3%)に射精遅延等の性機能異常が認められた]、発汗、(1%未満)総コレステロール上昇、体重増加、血清カリウム上昇、総蛋白減少、乳汁漏出、末梢性浮腫、(頻度不明)*高プロラクチン血症[*:海外での頻度:0.1%未満]、月経障害(不正子宮出血、無月経等)。

※発現頻度は、承認時までの臨床試験並びにうつ病・うつ状態患者、パニック障害患者、強迫性障害患者、社会不安障害患者を対象とした使用成績調査及び特定使用成績調査の結果をあわせて算出したもの。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【使用に注意が必要な方】
海外で実施した7~18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験にて有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺リスク増加の報告もあるので、18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には慎重に検討する。
【慎重投与】
1.躁うつ病患者[躁転、自殺企図が現れることがある]。
2.自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図が現れることがある]。
3.脳器質的障害又は統合失調症素因のある患者[精神症状を増悪させることがある]。
4.衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある]。
5.てんかんの既往歴のある患者[てんかん発作が現れることがある]。
6.緑内障のある患者[散瞳が現れることがある]。
7.抗精神病剤投与中の患者[悪性症候群が現れる恐れがある]。
8.高齢者。
9.出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者[皮膚出血及び粘膜出血(胃腸出血等)が報告されている]。

【使用が出来ない方】
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.MAO阻害剤投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者。
3.ピモジド投与中の患者。

【その他の注意事項】
1.眠気、眩暈等が現れることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させる。眠気、眩暈等は治療開始早期に多くみられている。
2.うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図の恐れがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察する。なお、うつ病やうつ状態以外で本剤の適応となる精神疾患においても自殺企図の恐れがあり、更に、うつ病やうつ状態を伴う場合もあるので、このような患者には注意深く観察しながら投与する必要がある。
3.不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等が現れることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されているので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行う。
4.若年成人(特に大うつ病性障害の若年成人)において、本剤投与中に自殺行動(自殺既遂、自殺企図)のリスクが上がる可能性が報告されているため、こういった患者に投与する場合、注意深く観察する。
5.自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめる。
6.家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化が現れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導する。
7.大うつ病エピソードは、双極性障害の初発症状である可能性が有り、抗うつ剤単独で治療した場合には、躁転や病相の不安定化を招くことが知られている。従って、双極性障害を適切に鑑別する必要がある。
8.投与中止(特に突然の中止)又は減量により、知覚障害(錯感覚、電気ショック感覚、耳鳴等)、睡眠障害(悪夢を含む)、眩暈、不安、興奮、焦燥、意識障害、嘔気、振戦、錯乱、発汗、頭痛、下痢等が現れることがあり、症状の多くは投与中止後数日以内に現れ、軽症から中等症であり、2週間程で軽快するが、患者によっては重症であったり、また、回復までに2、3カ月以上かかる場合もある。これまでに得られた情報からはこれらの症状は薬物依存によるものではないと考えられている。
本剤の減量又は投与中止に際しては、次の点に注意する。
1)突然の投与中止を避ける(投与を中止する際は、患者の状態を見つつ数週間~数カ月かけて徐々に減量する)。
2)減量またはは中止する際には、5mg錠の使用も考慮する。
3)減量後または投与中止後に耐えられない程の症状が発現した場合、減量又は中止前の用量にて投与を再開し、より緩やかに減量することを検討する。
4)患者の判断で本剤の服用が中止されないよう十分な服薬指導をする。また、前記のような飲み忘れにより眩暈、知覚障害等の症状を発症することがあるため、患者に必ず指示されたとおりに服用するよう指導する。
9.本剤を投与された婦人が出産した新生児では先天異常のリスク増の報告があるので、妊娠中またはは妊娠している可能性のある婦人では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外には投与しない。

上記にあてはまる方は、パロキセチンを使用する事が出来ない可能性があります。
パロキセチンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

【併用注意】

1.セロトニン作用を有する薬剤(炭酸リチウム、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、トリプタン系薬剤(スマトリプタン等)、セロトニン前駆物質含有製剤(L-トリプトファン含有製剤、5-ヒドロキシトリプトファン含有製剤等)又はセロトニン前駆物質含有食品(L-トリプトファン含有食品、5-ヒドロキシトリプトファン含有食品等)等、トラマドール、フェンタニル、リネゾリド、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)[セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状が現れることがあるので、これらの薬物を併用する際には観察を十分に行う(相互にセロトニン作用が増強する恐れがある)]。
2.メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>[セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状が現れることがあるので、これらの薬物を併用する際には観察を十分に行う(メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される)]。
3.フェノチアジン系抗精神病剤(ペルフェナジン)[これらの抗精神病剤との併用により悪性症候群が現れる恐れがあり、これらの薬剤の作用が増強され、過鎮静、錐体外路症状等の発現が報告されている(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、患者によってはこれら薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある;本剤とペルフェナジンとの併用により、ペルフェナジンの血中濃度が約6倍増加したことが報告されている)]。
4.リスペリドン[これらの抗精神病剤との併用により悪性症候群が現れる恐れがあり、これらの薬剤の作用が増強され、過鎮静、錐体外路症状等の発現が報告されている(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、患者によってはこれら薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある;本剤とリスペリドンとの併用により、リスペリドン及び活性代謝物の血中濃度が約1.4倍増加したことが報告されている)]。
5.三環系抗うつ剤(アミトリプチリン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩)[これら薬剤の作用が増強される恐れがある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、患者によってはこれら薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある)、イミプラミンと本剤の薬物相互作用試験において、併用投与により鎮静及び抗コリン作用の症状が報告されている(本剤とイミプラミンとの併用により、イミプラミンのAUCが約1.7倍増加したことが報告されている)]。
6.抗不整脈剤(プロパフェノン塩酸塩、フレカイニド酢酸塩)、β-遮断剤(チモロールマレイン酸塩)[これら薬剤の作用が増強される恐れがある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、患者によってはこれら薬剤の血中濃度が上昇する恐れがある)]。
7.β-遮断剤(メトプロロール酒石酸塩)[メトプロロールと本剤の併用投与により、重度の血圧低下が報告されている(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、メトプロロールの(S)-体及び(R)-体のT1/2がそれぞれ約2.1及び2.5倍、AUCがそれぞれ約5及び8倍増加したことが報告されている)]。
8.アトモキセチン[併用によりアトモキセチンの血中濃度が上昇したとの報告がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することによると考えられる)]。
9.タモキシフェン[タモキシフェンの作用が減弱される恐れがあり、併用により乳癌による死亡リスクが増加したとの報告がある(本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、タモキシフェンの活性代謝物の血中濃度が減少する恐れがある)]。
10.キニジン[本剤の作用が増強する恐れがある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する恐れがある)]。
11.シメチジン[本剤の作用が増強する恐れがある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する恐れがある;シメチジンとの併用により、本剤の血中濃度が約50%増加したことが報告されている)]。
12.フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン[本剤の作用が減弱する恐れがある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する恐れがある)]。
13.フェノバルビタール[本剤の作用が減弱する恐れがある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する恐れがある;フェノバルビタールとの併用により、本剤のAUC及びT1/2がそれぞれ平均25及び38%減少したことが報告されている)]。
14.ホスアンプレナビルとリトナビルの併用時[本剤の作用が減弱する恐れがある(作用機序は不明であるが、ホスアンプレナビルとリトナビルとの併用時に本剤の血中濃度が約60%減少したことが報告されている)]。
15.ワルファリン[ワルファリンの作用が増強される恐れがある(本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている)]。
16.ジゴキシン[ジゴキシンの作用が減弱される恐れがある(健康人において、本剤によるジゴキシンの血中濃度の低下が認められている)]。
17.止血・血液凝固を阻害する薬剤(非ステロイド性抗炎症剤、アスピリン、ワルファリン等)、出血症状の報告のある薬剤(フェノチアジン系抗精神病剤、非定型抗精神病剤、三環系抗うつ剤等)[出血傾向が増強する恐れがある(これらの薬剤を併用することにより作用が増強されることが考えられる)]。
18.アルコール(飲酒)[本剤服用中は、飲酒を避けることが望ましい(本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている)]。【併用禁忌】
1.MAO阻害剤<リネゾリド・メチルチオニニウム塩化物水和物以外>(セレギリン塩酸塩<エフピー>)[セロトニン症候群が現れることがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者には投与しない(また、本剤の投与中止後2週間以内にMAO阻害剤の投与を開始しない)(脳内セロトニン濃度が高まると考えられている)]。
19.ピモジド<オーラップ>[QT延長、心室性不整脈<Torsades de Pointesを含む>等の重篤な心臓血管系の副作用が現れる恐れがある(ピモジド(2mg)と本剤との併用により、ピモジドの血中濃度が上昇したことが報告されている;本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することによると考えられる)]。
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
パキシルを飲むと太ると聞いたことがありますが、実際どうなのでしょうか?

必ず太る、という訳ではありません。ちなみに、もしあなたが中年期に差し掛かっているのなら、抗うつ薬による太り方はメタボとそっくりで、識別することは難しいです。

いつまで飲み続ければよいのでしょうか?

まずは症状が落ち着くまで十分な量の抗うつ薬を継続します。その後、少しずつ薬の量を減らしていき、症状がなくなる最低の量を見極めます。この「最低の量」がゼロになる場合もありますし、そうならない場合もあります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。