ミルタザピン

成分名

ミルタザピン

適応症状

うつ病
うつ状態

簡易説明

うつ病では、ノルアドレナリンやセロトニンという神経物質の働きが不調の状態です。それにより脳の機能不全が引き起こされ不安やいらいら、不眠などの症状があらわれます。ミルタザピンは、脳内でノルアドレナリンの放出を促したり、セロトニンの働きをよくすることで抗うつ作用があり、ゆううつな気持ちや落ち込んでいる気分をやわらげます。主に、うつ、うつ状態の改善に使用されます。

処方可能な診療科目

内科/精神科/心療内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:15mg約100円/30mg約164.1円
薬代後発薬1錠あたりの目安:15mg約19.3円/30mg約35.2円
薬代後発薬1OD錠あたりの目安:15mg約32.2円/30mg約52.7円

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2009年9月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

リフレックス錠15mg/30mg【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ】
レメロン錠15mg/30mg【製薬メーカー:オルガノン】

関連製品(ジェネリック)

ミルタザピン錠15mg/30mg「EE/DSEP/武田テバ/日医工/杏林/トーワ/明治/JG/日新/YD/ケミファ/TCK/ニプロ/サワイ/ファイザー/共創未来/フェルゼン/VTRS」
【製薬メーカー:エルメッド/共和薬品工業/武田テバファーマ/日医工/キョーリンリメディオ//東和薬品/大蔵製薬/長生堂製薬/日新製薬-山形/陽進堂/日本ケミファ/辰巳化学/ニプロ/沢井製薬/ダイト/共創未来ファーマ/フェルゼンファーマ/共和薬品工業】

ミルタザピンOD錠15mg/30mg「アメル/DSEP/トーワ/ニプロ/サワイ」
【製薬メーカー:共和薬品工業/ジェイドルフ製薬/東和薬品/ニプロ/沢井製薬】

効果・作用

憂鬱な気分を緩和させ、意欲を高める作用があります。うつ病のほか、いろいろな心の不具合に応用されます。

▼病理作用
神経細胞はシナプスを介して神経回路を形成しています。シナプス前終末から神経伝達物質が放出され、神経後シナプスへ情報が伝達されます。神経伝達物質のノルアドレナリンは、自身のアドレナリン受容体へ結合することでその情報を伝えています。アドレナリン受容体のうち、アドレナリンのα2自己受容体を刺激した場合は、ノルアドレナリンの放出が抑えられ、逆にこの受容体を遮断した場合には、ノルアドレナリンの放出が促進するとされます。

▼作用機序
中枢のシナプス前α2アドレナリン自己受容体、またはヘテロ受容体に対して拮抗作用を示します。中枢のセロトニンおよび、ノルアドレナリンの両方の神経伝達を増強します。5-HT2または、5-HT3受容体を阻害するので、セロトニンの神経伝達増大により主に5-HT1受容体が活性化されます。ミルタザピンのS(+)鏡像異性体はα2受容体と5-HT2受容体を阻害し、R(−)鏡像異性体は、5-HT3受容体を主に阻害します。N-脱メチル代謝物はラット脳で唯一検出された代謝物で、α2受容体、5-HT2受容体及び5-HT3受容体への親和性はミルタザピンと同程度でした。

▼特徴
NaSSAという新しいカテゴリーに分類される抗うつ薬です。化学構造的にみると、4環系抗うつ薬のミアンセリン(テトラミド)を一部改良した構造をしています。ノルアドレナリン遊離促進など作用面においても、また効果発現が早いこと、眠気の副作用が出やすい点なども4環系にみられるのが特徴です。他の新規抗うつ薬(SSRI、SNRI)と同様に、軽症から中等症のうつ病に第1選択されるようになりました。有効性はそれほど変わりませんが、他の抗うつ薬と比べより早い治療効果が期待できます。安全性については、眠気や倦怠感が多くみられるものの、吐き気や下痢など消化器症状はSSRIよりも少ないようです。持続性があるので、1日1回就寝前の服用で済むのも利点です。

▼他のNaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
レメロン

使用方法

成人には1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与してください。
※年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減してください。増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行ってください。

(用法及び用量に関連する注意)
投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与してください。

副作用

主な副作用
AST上昇、ALT上昇、体重増加、倦怠感、傾眠、浮動性めまい、頭痛、便秘、口渇、γ-GTP上昇、紅斑

重大な副作用
焦燥、セロトニン症候群、不安、興奮、錯乱、下痢、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、意識障害、自律神経不安定、発熱、無顆粒球症、発汗、好中球減少症、感染症、痙攣、肝機能障害、黄疸、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、SIADH、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑、QT延長、心室頻拍

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。

その他の副作用
アカシジア、異常感、末梢性浮腫、軽躁、浮腫、関節痛、胸痛、易刺激性、末梢冷感、体重減少、体位性めまい、感覚鈍麻、振戦、不眠症、構語障害、注意力障害、悪夢、鎮静、錯感覚、下肢静止不能症候群、異常な夢、躁病、好酸球増多、上腹部痛、悪心、胃不快感、嘔吐、腹部膨満、腹痛、口内乾燥、おくび、失神、口の感覚鈍麻、動悸、血圧上昇、心拍数増加、しゃっくり、ヘモグロビン減少、白血球増多、好中球増多、リンパ球減少、多汗症、皮膚そう痒症、発疹、視調節障害、眼瞼浮腫、不正子宮出血、視覚障害、Al-P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、頻尿、尿糖陽性、尿蛋白陽性、白血球減少、筋肉痛、筋力低下、背部痛、四肢不快感、過食、食欲亢進、コレステロール上昇、運動過剰症、尿閉、食欲不振、疲労、高プロラクチン血症、乳汁漏出症、女性化乳房、激越、運動過多、幻覚、精神運動不穏、嗜眠、口の錯感覚、せん妄、攻撃性、健忘、持続勃起症、唾液分泌亢進、起立性低血圧、低血圧、再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少症、皮膚水疱、口腔浮腫、排尿困難、CK上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ミルタザピンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方リフレックスは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼リフレックスの有効成分
ミルタザピン
▼代表薬の添加物
トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症
MAO阻害剤投与中あるいは投与中止後2週間以内

使用に注意が必要な方
高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
QT延長
肝機能障害
眼内圧亢進
狭心症
痙攣性疾患
自殺企図
自殺念慮
腎機能障害
心筋梗塞
心疾患
低カリウム血症
低血圧
てんかん
脳器質的障害
排尿困難
緑内障
伝導障害
著明な徐脈
統合失調症素因
衝動性が高い併存障害
躁うつ病

上記にあてはまる方は、ミルタザピンを使用する事が出来ない可能性があります。
ミルタザピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
L−トリプトファン含有製剤
トリプタン系薬剤
塩酸トラマドール
リネゾリド
メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>
炭酸リチウム
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
HIVプロテアーゼ阻害剤
アゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール
エリスロマイシン
シメチジン
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
HIVプロテアーゼ阻害剤
アゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール
エリスロマイシン
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
カルバマゼピ
フェニトイン
リファンピシン類
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
カルバマゼピン
フェニトイン
リファンピシン類
催眠・鎮静剤
ベンゾジアゼピン系化合物
ジアゼパム
エタノール摂取
ジアゼパム
ワルファリンカリウム
QTを延長する薬剤
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
L−トリプトファン(アミノ酸の一種)を含むもの<大豆、カゼイン、かつお節、小麦、豆腐 など>
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>

上記を使用している方は、ミルタザピンを使用する事が出来ない可能性があります。
ミルタザピンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<メチルチオニニウム・リネゾリド以外>

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
服用中でなにか気を付けることはありますか?

飲みはじめや飲む量を変更した時に、不安感が強くなり死にたいと思うなど症状が悪くなることがあるので、注意が必要です。
患者向医薬品ガイド【Meiji Seika ファルマ株式会社】

生活上注意する点はなんですか?

眠気、めまいなどがあらわれることがありますので、自動車の運転などは注意が必要です。
ミルタザピン錠15mg【Meiji Seika ファルマ株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。