セルトラリン

成分名

セルトラリン

適応症状

うつ病、うつ状態、強迫性障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)、社交不安障害、月経前不快気分障害、摂食障害、過食嘔吐、迫性障害、社会不安障害(社交不安障害)、など

簡易説明

セルトラリンは、ジェイゾロフトの名で知られている抗うつ剤の主成分として知られており、第3世代の抗うつ剤であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類されます。
感情や気分のコントロール・精神の安定に深く関わる神経伝達物質であるセトロニンの働きを高める薬で、不安や落ち込みなどの精神症状の改善に期待ができます。
効果と副作用のバランスが良いため、抗うつ薬の定番とも言える薬です。内科などでも使われることがあります。

処方可能な診療科目

精神科/心療内科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1500円~約5000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約100円~約250円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2016年7月販売開始

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ゾロフト(アメリカで1991年に認可 ファイザー)/ジェイゾロフト(日本での名称 ファイザー)

関連製品(ジェネリック)

セルティマ 25mg50mg100mg「インタスファーマ」/「サンド」「ニプロ」「明治」など各社から以下の容量で販売中。セルトラリン錠25mg セルトラリン錠50mg セルトラリン錠100mg

効果・作用

脳内の伝達物質(セロトニン)に作用することで、セトロニンの働きを高め、抗うつ作用や抗不安作用が現れます。
これは、脳内に存在するセロトニン再取り込み機構を選択的に阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を高めて持続的にセロトニン神経伝達を高めるためです。
それにより、憂うつな気持ち、不安、いらいら感、やる気のなさ、食欲不振、不眠、突然の激しい不安、強迫観念、人前での過度な不安や緊張などの症状を改善します。
飲みはじめて直ぐに効果は現れませんが、飲み続けると、徐々に脳内に作用します。

副作用が少なく中止もしやすいことから、初めてうつ病のお薬を飲む方、うつ状態で気分の落ち込みが目立つ方に使われることが多なっています。

また、作用時間が非常に長いため、一日1回の服用で済むというのも大きな特徴です。
飲み忘れた場合は、1日以内に気がついた場合であれば、気がついた時点で1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
急に中止すると不都合な症状(不安、焦燥、興奮、めまい、頭痛など)がみられることがあります。

使用方法

通常、成人は1回1錠(セルトラリンとして25mg)を1日1回から服用を開始し、1回4錠(100mg)を1日1回服用まで徐々に増量されますが、
年齢・症状により1日4錠(100mg)を超えない範囲で適宜増減されます。必ず指示された服用方法に従ってください。

副作用

【重大な副作用】
・セロトニン症候群
不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクロヌス、自律神経不安定等

・悪性症候群
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等

・痙攣、昏睡

・肝機能障害
肝不全、肝炎、黄疸

・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)こと。

・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

・アナフィラキシー
呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等

・QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)

【その他の副作用】
・精神系
睡眠障害(不眠等)、錯乱状態、悪夢、易刺激性、易興奮性、うつ病、躁病、精神症、多幸症、リビドー減退、記憶障害、注意力障害、攻撃的反応、不安、焦燥、興奮、幻覚

・神経系
傾眠、頭痛、浮動性めまい、振戦、感覚減退、起立性めまい、味覚異常、頭部不快感、運動障害(アカシジア、錐体外路症状、運動過多、歯ぎしり、歩行異常等)、錯感覚、不随意性筋収縮、ジスキネジー、ジストニー、片頭痛、失神

・感覚器
調節障害、視覚異常(霧視、羞明、視力低下等)、耳鳴、耳閉感、回転性眩暈、散瞳

・循環器
動悸、起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇、頻脈

・肝臓
ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加、LDH増加、ALP増加、総ビリルビン増加、直接ビリルビン増加

・血液
白血球数増加又は減少、単球増加、血小板数減少、出血傾向(鼻出血、胃腸出血、血尿等)、血小板機能異常、紫斑、斑状出血、皮下出血

・消化器系
悪心・嘔吐、口内乾燥、下痢・軟便、便秘、腹部不快感、腹痛、腹部膨満、消化不良、食欲不振、胃腸障害、食欲亢進、膵炎

・過敏症
発疹、蕁麻疹、そう痒症、顔面浮腫、眼窩周囲浮腫、光線過敏性反応

・泌尿器・生殖器
排尿困難、尿閉、頻尿、性機能障害(射精遅延、持続勃起症等)、月経障害、尿失禁・夜尿、乳汁漏出症、女性化乳房

・筋・骨格系
背部痛、関節痛、筋緊張異常(筋硬直、筋緊張亢進、筋痙攣等)、開口障害

・代謝・内分泌
総蛋白減少、総コレステロール増加、尿糖、尿蛋白、甲状腺機能低下症、低ナトリウム血症、高プロラクチン血症、血糖異常

・その他
倦怠感、多汗(発汗、寝汗等)、無力症、熱感、異常感、胸痛、胸部圧迫感、疲労、発熱、ほてり、悪寒、体重減少、体重増加、末梢性浮腫、あくび、脱毛症、気管支痙攣

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【使用に注意が必要な方】
・肝機能障害のある患者(血中濃度半減期が延長し、AUC及びCmaxが増大することがあります。)
・躁うつ病患者(躁転、自殺企図があらわれることがあります。)
・自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者(自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。)
・脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者(精神症状を増悪させることがあります。)
・衝動性が高い併存障害を有する患者(精神症状を増悪させることがあります。)
・てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者(痙攣発作を起こすことがあります。)
・QT延長又はその既往歴のある患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者(QT延長、心室頻拍(torsades depointesを含む)を起こす可能性があります。)
・出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者(鼻出血、胃腸出血、血尿等が報告されています。)
・緑内障又はその既往歴のある患者(眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがあります。)
・高齢者
・小児

【使用が出来ない方】
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者
・ピモジドを投与中の患者

【その他注意事項】
・24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを十分考慮して下さい。
・海外で実施された6〜17歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には慎重に検討して下さい。
・外傷後ストレス障害の診断は、DSM(米国精神医学会)等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与して下さい。

上記にあてはまる方は、セルトラリンを使用する事が出来ない可能性があります。
セルトラリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

■併用禁忌
MAO阻害剤セレギリン塩酸塩(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
ピモジド(オーラップ)
■併用注意
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
リネゾリド
5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタンコハク酸塩、ゾルミトリプタン、エレトリプタン臭化水素酸塩)
トラマドール
メサドン
ペンタゾシン
L-トリプトファンを含有する製剤(アミノ酸製剤、経腸成分栄養剤)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
炭酸リチウム
三環系抗うつ剤(クロミプラミン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩)
ワルファリン
出血傾向が増強する薬剤(非定型抗精神病剤、フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリン等)
血糖降下薬(トルブタミド)
シメチジン
アルコール(飲酒)
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
効き目は強い方でしょうか?

それほど強くありません。SSRIの中でもパキシルやレクサプロのほうが抗鬱効果は強いと言われています。 その、効果が強すぎず副作用も少ないという特性から、「処方しやすい薬」としてよく処方され、また支持されています。

実際に使った方のご意見を聞きたいのですが?

使用された方のご意見としてよく言われるのは、マイルドな効果で副作用が少ない、ということです。 他には、最初は副作用が出るが、1週間~3週間程度で収まる、というのも良く聞きます。

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